26年目を迎えたJリーグが史上初めて平日金曜日に開幕し、ヴィッセル神戸が執念の同点弾を決め1-1でサガン鳥栖と引き分けた。1点を追う後半42分、新主将FWルーカス・ポドルスキ(32)の縦パスを起点にFWハーフナー・マイク(30)がネットを揺らした。ワールドカップ(W杯)ロシア大会により、J1は5月下旬の第15節から約2カ月中断する。

 執念ドローの起点は、ポドルスキだった。1点を追う後半42分、敵陣中央からペナルティーエリア内に縦パスを供給。新加入のFWウェリントンが落としたところをハーフナーが左足で決めた。ベンチ前で折り重なり喜びを爆発。「試合序盤は危ないシーンがあったけど、90分で見ると試合を支配できた」と言うポドルスキに、ハーフナーも「後半いい姿勢で戦って勝ち取った勝ち点1」と笑顔になった。

 新しい神戸を示した。今季から親会社の楽天がスポンサー契約するスペイン1部バルセロナのようなパスサッカーを目指す。そのためにポドルスキは守備は2トップの一角で前線から圧力をかけ、攻撃では下がって試合を組み立てながらミドルシュートも狙う。前半は序盤で失点した焦りからかパスミスを連発したが、後半はボールを保持して相手のシュート1本に対し10本放つなど圧倒。吉田監督は「後半は自分たちのサッカーできた」と満足顔だ。

 終盤の粘りで勝ち点1は確保した。ポドルスキは「2ポイント足りない」と辛口だが、吉田監督は「勝ち点1をポジティブに捉えたい」。目標の初タイトルとACL出場権獲得へと続く初白星は、3日のホーム清水戦で飾る。【中島万季】