浦和レッズのDF槙野智章(30)が、日本代表アピール弾を放った。24日の開幕節でFC東京と対戦し、0-1の後半5分に同点弾を決めた。6月のW杯ロシア大会での日本代表メンバー入りを目指す今季、磨きをかけたセットプレーで好スタートを切った。チームは1-1で引き分け、アウェーで勝ち点1を拾った。ホーム開幕戦となる次節(3月4日)はサンフレッチェ広島と対戦する。

 左CKを槙野が仕留めた。遠めの位置で韓国代表DFチャンと競り合い、引っ張られて体勢を崩しながらも右足でミート。ゴール右スミを鋭く射抜くと、感情を爆発させた。「セットプレーはキャンプからかなり時間をかけてきたストロングポイント。全員のいい動きが生んだゴール。今季の得点源になると自信を持っている」と胸を張った。

 昨年11月に日本代表として国際親善試合のブラジル代表戦に出場。左CKを頭で合わせ、ブラジルから11年ぶりに得点を奪った。12月のE-1選手権でも活躍し、W杯での正CBに名乗りを上げた。この日は長く代表のレギュラーだった東京DF森重との“代表対決”となったが、空中戦の強さやライン統制で存在感を見せた。終始ボールを保持する狙い通りの展開に持ち込み、ライバルを圧倒した。

 「自分の仕事はゴールよりも守ること」と、CBとしての自覚が強まっている。今季、チームでの目標は「失点を昨年の半分まで減らしたい」と、リーグ最少失点だった16年シーズンの28失点をさらに下回る成績を目標に掲げた。

 23日の前日練習後にはDFとGKの選手を集めてミーティングを行った。「守備陣で勝ち点を拾えるチームになろう」と力強く呼び掛けた。「厳しいところで積み重ねられるチームが最後は上にいくと思う」と、54失点で7位に沈んだ昨季からの巻き返しを誓った。この日は先制点を許したものの、試合を通して大崩れはなかった。12年ぶりのリーグ優勝、そしてW杯出場へ。槙野の大切な1年が幕を開けた。【岡崎悠利】