司令塔が今季初勝利の鍵を握る。北海道コンサドーレ札幌は今日18日、V・ファーレン長崎戦に臨む。17日に札幌ドームで行ったミニゲームではMF荒野が主力組のボランチに入り、今季リーグ戦初先発の可能性が高まった。1分け2敗でまだ勝ち星はないが、ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)は「自分たちがやっていることは決して間違っているとは思っていない。必ず結果につながると思っている」と、選手を信じて送り出す。

 指揮官の課す戦術の“キモ”でもあるボランチは今季唯一、複数選手が先発している。開幕スタメンだった主将のMF宮沢が負傷で離脱し、前節はMF兵藤が先発。MF深井は3戦連続で先発も、まだフル出場がない。昨季終盤に右足甲を骨折した荒野の状態が整い、層に厚みが増した。兵藤は「競争に勝ち抜いて試合に出て結果を残していかないとチームは向上していかない」と、争い激化を歓迎する。

 1人が攻撃に加われば、もう1人が後方をケアするのが基本だが、はっきりとした役割分担はない。ケースバイケースの動きが必要な点を、深井は素直に「難しい」というが、「うまくいっていた試合もあった」と手応えも感じつつある。今日18日の対戦相手は、今季J1に初昇格したチーム。長崎出身の兵藤は「地元だし、上がってきてうれしかったけど、半面負けたくない」。今月最後のホーム戦。狙うは今季初白星しかない。【保坂果那】