東京ヴェルディのスペイン人FWカルロス・マルティネス(31)が、アビスパ福岡戦の後半24分に、今季初ゴールとなる先制弾を決めた。

 マルティネスは同16分に途中出場すると、FWドウグラス・ヴィエイラと2トップを組み、前線でチャンスをうかがった。そして同24分、MF林昇吾のシュートがDFに当たったこぼれ球を、右足ボレーでゴールにたたき込んだ。「自分本来のポジションで快適にプレーできた。すごく速いプレーの中で、自分の前にボールがこぼれてきた。後は押し込むだけだった」と振り返った。同点に追いつかれたこともあり、笑みは控えめだった。

 17年8月27日の愛媛FC戦以来、約7カ月ぶりのJリーグでの2得点目に「どんなFWでも、ゴールは欲しいと思っている。いつも、ゴールは目指しているが、決められるとは限らないということです」とかみしめるように語った。スペイン3部ビジャレアルBから17年6月22日に完全移籍し、同7月22日のカマタマーレ讃岐戦で初出場&先発したが、高温多湿の日本の気候と、攻守に常にアップテンポな日本サッカーへの適応に苦しんだ。

 スペインからの助っ人ということで期待が大きかった半面、17年はリーグ戦19試合に出場も1ゴールに終わり、一部では批判的な報道までなされた。「去年は難しい、とても暑い時期に来た。子どもが生まれたばかりでもあったし、言葉も全然、分からなかった。今年はロッカールーム内でも、心地よくプレーできているのがピッチ上のプレーにも出ている」と違いを強調。そして、日本語で「アリガトウゴザイマス」と言い、競技場を後にした。

 同じスペイン人のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(60)は「カルロスはピッチに入ったらポゼッション、継続性をチームに与えてくれる。今日はそれだけではなく、決定的なチャンスも作ってくれた」と高く評価した。【村上幸将】