川崎フロンターレがサンフレッチェ広島に0-1で敗れ、連続不敗記録は19でストップした。リーグ戦での黒星は、昨年7月のジュビロ磐田戦以来となる。

 後味の悪い敗戦だった。2度の誤審が重なった。0-0で迎えた後半39分、広島のFWパトリック(30)とMF柏良文(30)がオフサイドポジションにおり、パトリックがプレーに関与していたが、川崎Fの守備陣がゴールラインへボールをクリアしたところ、オフサイドではなく広島にコーナーキックが与えられた。そのCKをパトリックが押し込み先制した。

 終了間際、逆に川崎FはDF車屋紳太郎(25)が左サイドを突破しゴールライン付近からマイナスクロスを送った。ボールは川崎FのFW小林悠(30)と競り合った広島DF水本裕貴(32)に当たり、広島GK林へ。林の弾いたボールを川崎FのFW長谷川竜也(24)が押し込み同点に追いついたかに思えた。しかし、副審は広島の選手の抗議を受け、その後に主審と話し合い、オフサイドの旗を揚げ、ゴールは幻に。しかし、ゴールラインには車屋へスライディングした広島DF和田が残っており、長谷川はオフサイドポジションではなかった。そのまま試合は終了し、スタジアムは川崎Fのサポーターから大ブーイングが起こった。

 Jリーグでは、昨季から試合後に、審判側の代表とクラブの代表が判定などの意見交換を行う場がもうけられており、その場で審判側が判定の誤りを認めたという。もちろん、誤審が認められても結果は覆らない。試合後、鬼木達監督は「向こうのオフサイドは取られずコーナーキックになり、うちの場合はどういう見解でああなったか分からないが、聞いても答えが返ってこなかった。選手は本気で頑張ってるので、僕たちも言わなくては選手がかわいそうだと思う。そこは訴えていきたい」と話した。

 川崎FのMF阿部浩之(28)は「先に点が取れなかったのがすべて。運が悪いと言えば悪いけど、それを上回れなかったのが自分たちの実力」と潔かった。ただ「これでリーグが改善してくれたらいい。動画を見ているのだったら伝える術もある。そういうのを含めて全体が成長してほしい」と一選手としての気持ちを口にした。