J1は9節を迎えるが依然、サンフレッチェ広島が唯一の無敗をキープしている。

 広島は、8試合でわずか2失点と、城福浩新監督が開幕前に徹底構築した堅守に加え、3月31日の第5節・川崎フロンターレで今季初ゴールを決めたFWパトリックが、ここ2戦連続で2ゴールと覚醒し、攻守がかみ合ってきている。一方、パトリックをベンチから外した19日のルヴァンカップ名古屋グランパス戦に1-2で敗れ、公式戦12試合目にして初黒星を喫した。その中で今節、ホームに迎え撃つ14位サガン鳥栖は、17年に2連敗した難敵だ。

 一方の鳥栖は、3連敗とピリッとしない。その上、マッシモ・フィッカデンティ監督(50)が6日のセレッソ大阪戦、15日のジュビロ磐田戦と、2試合連続で審判の判定に怒りや不満を漏らしている状況も、気になるところだ。

 4位と躍進する北海道コンサドーレ札幌が、ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)の古巣の10位・浦和レッズとアウェーで対戦する1戦は、ある意味、今節最大の注目カードと言ってもいいかもしれない。札幌のペトロビッチ監督は1-2で勝利した前節・柏レイソル戦後の会見で「浦和は今、個の能力のある選手を買わなきゃいけないと言われていますけど、私がいる時は、すごい選手がたくさんいると言われたのに、今は選手がいないと…。毎年、私が浦和にいた時は(中略)私がいなくなった瞬間に選手が足りないと言われる」などと、古巣をチクリと刺激した。それに対し、埼玉スタジアムで浦和の選手が、プレーでどのような“返礼”をするのか、目が離せない。

 そして最下位に沈むガンバ大阪と3位C大阪との「大阪ダービー」も決して見逃してはならないだろう。99年5月の初対決から公式戦34戦試合で対戦し、G大阪が20勝5分け9敗とリードしている。J1に限って見ても、G大阪がここ5試合連続負けなし(2勝3分け)、ホームで2連勝、8戦連続負けなし(7勝1分け)と圧倒している。

 一方、C大阪はJ1で4連勝し3位に浮上も、アジア・チャンピオンズリーグは1次リーグで敗退した。敗退が決まった17日の広州恒大(中国)戦の遠征に帯同しなかったエースのFW杉本健勇(25)は、17年にG大阪と対戦した公式戦4試合で3ゴールを決めている。川崎Fに在籍した15年5月のG大阪戦でも1ゴールを決めており、通算4ゴールはヴァンフォーレ甲府、浦和と並び、J1では最も多くゴールを決めた相手となる。そんな“お得意さま”G大阪戦で杉本が爆発すれば、J1での大阪ダービー未勝利の流れにピリオドを打てるだろう。