横浜F・マリノスFWウーゴ・ヴィエイラ(29)は、湘南ベルマーレ戦で前半だけでハットトリックを達成し、一時は1-3とリードされたチームを敗戦の危機から救った。

 にもかかわらず、試合後の囲み取材で、取材陣に向かって「最後に自分から、ちょっとサポーターの皆さんに向けたメッセージを送りたい」と切り出し、異例の謝罪のメッセージを口にした。

 ヴィエイラ いつも熱い声援をくださって、後押しをくれているのに、こういう試合で勝ちきれない。それにもかかわらず、足を運んで熱い声援をくれている。本当にありがたいですし、今日に関しては本当に申し訳ないです。

 1点を追う前半27分、カメルーン代表MFオリヴィエ・ブマル(28)からのパスを受けると、そのままペナルティーエリア右角付近に仕掛け、鋭いターンから右足を振り抜き、DFアンドレ・バイアの股を抜くシュートを決めた。

 同44分には、左サイドを突破したDF山中亮輔からFWユン・イルロクを経由したパスを受けて右足で決めると、同じ44分に再び左サイドを突破した山中のパスを右足でトラップすると、DF3人に囲まれながらも右足で決めた。前半のみでのハットトリック達成は、ポルトガルで1度、経験があるという。

 試合後は、ピッチに倒れ込んだ。その時の思いを聞かれると「何で4点も決めたのに、勝てないんだ…何てことだ…と思っていたんだ」と明かした。「最近、点を取っているのに勝てない試合が続いている。残念だ」と絞り出すように口にして悔しがった。

 7得点で、得点ランクトップに立ったが? と話を向けられると「トップに立ったのは喜ばしいですが、リーグ戦のトップに立っていた方がうれしいかな」と悔しさを吐露した。

 一方で、4失点については守備陣を責めることはなかった。「課題は守備だが、守備の話をする時は、DF陣だけではなく11人の話だ。みんなが守備をするサッカーに取り組んでいる。ファーストDFは僕なので、僕含めてDFの部分をみんなで練習していかないといけない。毎試合、失点している。みんなで乗り越えないといけない」と強調した。【村上幸将】