レノファ山口FCの霜田正浩監督(51)は、FC町田ゼルビアに競り勝った試合後の会見で「勝ち方としては6割」「技術が足りない」などと語った。

 就任1年目で10試合を終えて3位と好調だが「(リーグ戦は)あと4分の3ありますから、今の段階での順位はそんなには気にしていないです」と淡々と語った。

 会見の冒頭で、霜田監督は「決してきれいな勝利、サッカーではないですが、球際、エアバトルでしっかり競って、町田の勢いのあるサッカーに負けないようにしようと送り出した。くじけそうになる、諦めそうになる時間帯をしのいで、乗り越え、勝利という結果を出してくれたので、うれしく思う」と評価した。

 質疑応答の中で、前半30分までかなり攻め込まれ、ロングボールを蹴ったのが作戦通りか否かと聞かれると「作戦通りではないです」と即答。その上で「押し込まれた感じ。マイボールにした後は、ちゃんと幅を使ってボールを動かしてやりたかったが、町田さんの圧力、スペースを限定した中でかなり速いプレッシャーがきたので、僕らのクオリティーが足らず(プレスを)はがせなかった」と反省した。

 またロングボールを選手が多く蹴ったことについては「パスの長さを変えようという話はした。短いパスだと相手のプレスに引っ掛かるから、と。ただ正面に蹴るとは言っていなかった。狙っていたけれど蹴れなかった。そこは、まだまだ技術が足りない」と説明。「僕らの時間になるまで、非常に時間がかかった。しのげたのが良かった」と振り返った。

 その上で、チームの現状について「選手が戦う姿勢を出してくれる、勝ちにこだわる、球際に負けないということに関しては、僕の想像を上回るプレーを見せてくれているかなと思います。ただ頑張るだけじゃなく、クオリティーも求める中で、僕らが求めるプレーモデルを使って得点を挙げ、守備も出来て勝ち点3を取れるという試合は、なかなかないので満足していない」と語った。

 10節を終えて3位の現状については「まだJ2全22チームと1回り当たっていないので、僕らの力がどのくらいあるいのか、客観的な評価はまだするべきではないと思っています。ただ、4分の1を終わってこの順位にいるということは、プレシーズンから準備したことで選手が自信を持って、次の課題に取り組めるという意味ではいい数字」と一定の評価を下した。【村上幸将】