第10節を迎えるJ1は、8勝1分けで唯一、無敗のサンフレッチェ広島が、勝ち点を25に伸ばした。2位FC東京との勝ち点差を9とし、早くも独走態勢に入りつつあるが、その両チームが東京のホーム・味の素スタジアムで激突する直接対決が、第10節最大の見どころだ。

 広島は、FWパトリックが3戦連発、5ゴールと絶好調だ。広島はJ1で4位タイの12得点を挙げているが、うち半分の6得点をパトリックが決めている。連勝しているこの5試合で見ても、チームが決めた8点中6点を決めており、エースの活躍が結果を左右すると言っても過言ではないだろう。9試合でJ1最少2失点の堅守も光り、攻守に頭1つ抜けた存在になりつつある。

 一方、東京はJ1で2位タイの13得点と、FW出身の長谷川健太監督の攻撃サッカーが光り始めてきた。味の素スタジアムでは、広島に2季連続で負けなし(1勝1分け)と、いいデータが残っている。前節では長谷川監督の古巣・清水エスパルスとのアウェー戦に勝利し、気を良くしている。今節は、かつてチームを率いた城福浩監督が徹底構築した、広島の堅守を打ち崩すことが出来るか?

 また、浦和レッズのオズワルド・オリベイラ新監督の初采配となる、柏レイソル戦も注目だ。堀孝史監督解任を受けて4月2日から暫定監督として指揮を執り、ルヴァン杯を含め4勝2分けとチームを立て直した“組長”大槻毅氏がヘッドコーチとして残る中、オリベイラ新監督は路線の継続を宣言している。その戦いぶりは要チェックだ。一方、柏は2連敗と元気がないが、17年は浦和に2戦全勝と数字はいい。順位が1つ上の9位・浦和に勝って巻き返しを図ることは出来るか?

 前節、川崎フロンターレに1-4で大敗し、12位に沈む鹿島アントラーズは、7位ヴィッセル神戸をホームに迎え撃つ。ホームで4連敗中と苦手にしている難敵との試合に、川崎F戦で退場した日本代表DF昌子源を欠く。鹿島にとって、正念場の1戦となりそうだ。