ヴィッセル神戸MFポドルスキが絶妙なアシストを決めた。

 前半34分。右からFW渡辺千真、MF藤田直之とつながれたボールを、中央でフリーで受けた。ゴールが見える。左足を振りかぶる。誰もが、ポドルスキはミドルシュートを放つ、と思ったそのときだった。振り下ろした左足は優しく、ボールの下をなでていた。ふわりと浮き上がり、DFとGKの間に届けられる。絶妙なポイント。そこにFW三田啓貴が走り込んでいた。頭で合わせて、GKを越える形でボールはゴールに吸い込まれた。鹿島に押し込まれる苦しい時間帯での先制弾。それは、芸術的なアシストから生まれた。

 「右からボールが来て、良いシュート位置だったけど、みんなも多分そう思ったと思う。その中で(三田の)いい走りだしがあったから、裏をかいて縦に放り込んだ」と、してやったりの表情だった。そして「アウェーで難しい試合の中で勝ち点1を取れたのは、良かったんじゃないか」と振り返った。