日本代表のムードメーカーが、絶好調で代表合宿に突入する。国際親善試合ガーナ戦(30日、日産ス)の代表に選出されたDF槙野智章(31=浦和レッズ)が、発表から一夜明けた19日のアウェー・ガンバ大阪戦にフル出場。一進一退の攻防で、空中戦や球際での強みを生かし、無失点に貢献した。西野ジャパンでも主力として活躍が期待される男は、好調を保ったまま21日からの代表合宿に臨む。

 試合後、槙野は表情を崩して「さすがに疲れましたね」と周囲を笑わせた。この日で4月から始まった過密日程での公式戦15試合が終了。同月21日の札幌戦から9試合連続でフル出場した。与えた失点はわずかに3。守備の中核として立ちはだかった。この日も身長が10センチ高い192センチのG大阪FW長沢より頭1つ高い打点でヘディングをかますなど、力強さが際だった。「スポットライトが当たるのはゴールを取る人だけじゃないというところを見てもらえたら」と笑った。

 18日に発表された日本代表にも順当に選ばれた。ハリルホジッチ前監督時代に主力の座を手にした槙野はセンターバックとして、DF吉田とともに本大会も当確組だ。「選ばれても気負うことなく臨めた」と、選出にも表情を変えない姿には風格も出てきた。

 ワールドカップ(W杯)直前の監督交代で、戦術の落とし込みなど準備の時間が非常に短い。基本的には4バックを採用すると思われるが、オプションとして3バックも考えられる。浦和で両方の戦術をこなす経験が生きるときもありそうだ。「いち早く西野監督のやり方を理解しなければならない」。今季は浦和でも指揮官がすでに2度交代しており、意思疎通の大切さは痛感している。

 合宿は21日からスタートするが、連戦の疲れを癒やすため3日間のオフが与えられているという。槙野は「しっかり休んでリフレッシュして、頭を切り替えたい。W杯前だし、最後までいい形を出せれば」と言葉に力を込めた。ほぼ手中にしているW杯切符を手放さないために、万全の状態で合宿に向かう。【岡崎悠利】