スペイン1部バルセロナからJ1ヴィッセル神戸に移籍したスペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)と、バルサの下部組織「カンテラ」でプレーをともにした、J2東京ヴェルディのスペイン人FWカルロス・マルティネス(31)が、イニエスタがJリーガーになったことを喜んだ。

 マルティネスは、親友イニエスタの神戸入りについて聞かれ「彼は、とてもいい選択をした。日本は人々にリスペクトの心があり、教育も行き届いている国です。彼は間違いなく日本で成功を収めると思う」と笑みを浮かべた。

 イニエスタとの関係について聞かれると「彼は年上ですが5年ほど、一緒にプレーした。ラ・マシア(寮)で食事を取ったり、勉強もしていた。友人として関係を築いたのは、僕がバルサを出て大人になってからです」と答えた。

 イニエスタからは、日本について質問を受け、レクチャーしたという。ただ、当初は中国スーパーリーグに行くのでは? と感じていたという。「中国に行く可能性の方が高いというふうに見えていたので、最終的に日本に決断した時は驚きました。とてもいい国だと話をしたので、彼が最終的に来る決断をしてくれて、うれしい。神戸と東京…近くはないですけど、同じ日本でプレーできるのがうれしい」と喜びをあらわにした。

 イニエスタに、特に推した日本のポイントについて聞かれると「彼の家族も落ち着いた生活を望んでいる。日本では、それを手に入れることが出来ると話しました。家族も快適に暮らせると話しました」と答えた。また日本とスペインの違いについて「プレー面の違い…ピッチが固い」ことも伝えたという。

 「イニエスタ選手の決断に、あなたのアドバイスが大きく影響を与えたのでは?」と聞かれると「もし、そうだったらいいですけど…それは分からない。僕が出来るアドバイスはしたし、彼は彼で決断したと思う。彼の人生が、うまくいくよう願っています」と答えた。その上で「彼はスペシャルな選手なので、問題なく適応、活躍できるでしょう」とも語った。そして「僕にとってはスペインの歴史上でベストな選手。難しいことを簡単にしてしまう。違いのある仕事が出来る」と強調した。

 イニエスタが本拠地ノエビアスタジアム神戸に登場したこの日、マルティネスは愛媛FC戦の後半から出場したが、シュートを1本も放てず無得点に終わった。「チームに貢献したいと思っていたプレーが出来なかった」と悔しさをにじませた。ただ、同じカテゴリー(J1)で、イニエスタと戦いたいか? と聞かれると「それが出来たらいい。僕は、そのためにヴェルディに来ましたし、その夢をかなえられたら素晴らしい」と意欲を見せた。【村上幸将】