大宮アルディージャが、前半4分にFW大前元紀(28)がPKで決めた4戦連発、今季14点目のゴールを守りきり、前節まで2位の大分トリニータに1-0で勝った。これで無敗を8(6勝2分け)に伸ばし、J1昇格プレーオフ圏内の暫定6位に浮上した。一方、大分は3連敗ながら、3位のレノファ山口FCが東京ヴェルディに敗れたため、暫定2位にとどまった。

 大宮が開始早々、積極的な仕掛けから試合を動かした。前半3分、MFマテウス(23)が、鋭いドリブル突破で中央からペナルティーエリア左に切り込むと、大分DF黄誠秀がたまらず出した左手がマテウスの顔に当たり、そのままマテウスは転倒。主審は黄にイエローカードを出し、PKを宣告。そのPKを、大前が落ち着いて右足で決めた。大前はマテウスと抱き合い、メンバーと喜び合った。

 大分は前半13分、右クロスにファーサイドからFW藤本憲明が飛び込んだが、わずかに合わずにゴールはならなかった。

 大宮は前半18分過ぎに、左サイドでプレーしていたマテウスが、MF茨田陽生をポジションを代え、右サイドに移ると、この日がJ2で100試合目の出場となったサイドDFの酒井宣福とともに推進力の高い攻めを繰り返し、大分を押し込んだ。前半20分、マテウスの右からの浮き球パスを左サイドで受けた茨田の折り返しを、FW富山貴光が頭で合わせるも枠を外した。同29分には、マテウスが大宮守備陣に倒されながらも出したパスを受けた酒井が、ゴール前に上げたクロスに大前が飛び込んだが、DFに阻まれた。

 大宮は大分戦からホーム戦6試合を「クラブ創立20周年記念シリーズ」と題し、選手はクラブ創立20周年記念ユニホームを着用し、試合に臨んだ。前身のNTT関東サッカー部から翌98年3月に大宮アルディージャと改称し、99年からJ2に参戦した際に採用された、オレンジとネイビーのチェック柄の初代ユニホームがモチーフとして採用された。記念ユニホームを着用しての初戦は、大宮が前半は主導権を握った。

 大分は前半、持ち前のサイド攻撃を大宮に封じ込まれていたが、後半に入り、MF松本怜を中心に右サイドからの分厚い攻撃で反撃した。後半9分、FW馬場賢治からのパスを受けた藤本がシュートも、わずかに枠を外した。同21分には、後方からの浮き球パスを中央の藤本が落とし、馬場がシュートもゴールポストの上に大きく外れた。同28分にも、FW国分伸太郎の右からのクロスボールに、MF那須川将太がDFと競り合いながら飛び込むも、ゴールはならなかった。

 大宮は後半、押し込まれながらも河本裕之、山越康平の両センターバックを中心に、集中した守備で耐えた。同ロスタイム3分には、CKをはじいたこぼれ球を途中出場のMF嶋田慎太郎が、右サイドから約60メートルの距離からロングシュートを放ち大分の攻勢をしのいだ。大分には15年以降、2-1で勝った5月3日のアウェー戦含め3連勝中。その試合でもゴールを決めた大前の先制弾を守りきった。