大宮アルディージャFW大前元紀(28)が、大分トリニータ戦の前半4分にPKで4戦連続となるゴールを決め、チームを勝利に導いた。今季14点目で、この日、ゴールのなかったレノファ山口FCのFWオナイウ阿道と並び、得点ランクトップタイに浮上した。

 大前は前半3分、MFマテウス(23)がドリブルで仕掛け、大分DF黄誠秀に倒されて得たPKを右足でゴール左隅に決めた。「特に、どっちに蹴るとかは考えていなかったですけど、ボールを置いて、しっかりGKを見て冷静に蹴ることができたので良かった」と振り返った。

 ここ10戦で8ゴール、しかも3連発、4連発それぞれ1回の荒稼ぎだ。6月には5戦4発の結果を評価され、初のJ2月間MVPに選ばれた。「プロになってからの公式戦で4戦連発はあったか?」と聞かれると「分かんない…覚えていないっす。4試合連続というより、しっかり勝てたのが、やっぱり一番」と笑った。チームは無敗を8に伸ばしたが、大前はうち7戦でゴールを決めている。「やっぱりFWが点を取って、チームが勝つのが一番いい。僕だけじゃなく前の選手が取って勝てばチームは盛り上がる。どんどん決めていきたい」と語った。

 移籍1年目の17年は、大黒柱だったMF家長昭博が川崎フロンターレに移籍し、その後釜として期待をかけられながらリーグ戦25試合に出場も、わずか2得点に終わった。プロ10年で、リーグ戦に2ケタ出場した中では最低の成績で、チームもJ2に降格した。

 今季は、チームと個人の屈辱を晴らすようなゴール量産態勢だ。チームも2度の2連敗などで序盤、19位に沈むなど不調だったが、大前の大車輪の活躍で復調した。この日はシュート数では大分に4-5と及ばず、押し込まれた後半はチームとしてシュートは0に終わったが1点を守りきった。大前は「見ている人は面白くなかったかもしれないですが、この暑い中で勝ち点3が取れたのは良かった。追加点を狙えたら良かったですけど、守備陣がしっかり守ってくれた。序盤の勝てない時期よりは良かった」と振り返った。

 そして「僕らが目標にしているのは優勝…まだ首位にも立っていない。昇格も、何も成し遂げていない。1戦1戦、上を目指して集中してやりたい」と気を引き締めた。【村上幸将】