湘南ベルマーレの曹貴裁監督(49)は、後半3分のMF高橋諒(25)のゴールで先制しながら、同36分にDF坂圭祐(23)のオウンゴールで追いつかれたサガン鳥栖戦後の会見で「妥当な引き分けだったかな」と振り返った。一方で、フランスの優勝で幕を下ろしたワールドカップ(W杯)ロシア大会を「攻守、全てがレベルアップしないと勝てない」と評し、それは湘南をはじめJリーグにおいても求められていることだと強調した。

 曹監督は会見の冒頭で「勝ち点3を取りにいったんですけど、残念ながら勝ち点1に終わり、申し訳ない」と語った。その上で「お互いに夏の多湿の中で、セカンド(ボール)の取り合いになって、ミスしないで持っていったら真ん中にボールが来る。それがミスしたら相手にチャンスが来る」と試合を総括。「選手はクリーンファイト、ファイティングスピリットを出してやってくれたけれど、点を取られる5分前後のボールの取られ方…。ロッカールームでも言いましたけど、CKの配置の仕方は幼いところがあると思った」と失点の要因を分析した。

 W杯による中断明け初戦で「W杯が終わった後で(世の中が)サッカーに目が向いているところで、エネルギッシュな試合がしたかった」という。そう語った上で、W杯優勝のフランスと湘南を比較しつつ「全てが足りないんですが、今のサッカーは攻撃も守備も、ボールが外に出ている時も、レフェリーとの関係もセットプレーも、全てのレベルが高くないと勝てなくなってきている」と指摘。そして「今日の試合も、お互いのスキが失点になった。こういうことを続けていって、選手の質を上げていくのが大事」と語った。

 また神奈川大から今季加入し、リーグ戦に初先発も、後半開始で交代したMF金子大毅(19)については「あいつの中の100%は出したと思っています。戦略上、代えましたけども…多分、半年前にここに立つことは想像しないまま大学生活を送っていた選手だと思うので」と評した。

 その上で「でも、それじゃダメだということが本人は分かったと思いますし…でも、悪かったとは思わない。自分の100%をチームのためにやったというのは、僕が見ていて感じた部分もあった。今日、出た経験を明日からのピッチに落として欲しい。若いからじゃなく、勝つためにピッチに出したので、勝つためにというところで、自分のプレーがどうだったか、ということは、しっかり見つめて次に向かっていって欲しい」と今後へ“宿題”を出した。【村上幸将】