清水エスパルスがリーグ再開戦を白星で飾った。前半11分にDFファン・ソッコ(29)が先制点。同28分にはFW北川航也(21)が追加点を挙げ、FWクリスラン(26)もダメ押し弾を決め、セレッソ大阪に3-0で快勝した。今季初の完封勝利でホーム3連勝。10位から9位に浮上した。

 守備のスペシャリストが攻撃で輝きを放った。前半11分、右CKからのボールがDFソッコの前にこぼれた。ゴール左斜め45度の位置からシュートコースを作り、そのまま右足でミドルシュート。鋭く曲がった弾道が逆サイドネットに吸い込まれた。今季加入した韓国人DFは移籍後初ゴール。J1ではサンフレッチェ広島在籍時の2013年9月21日以来、1761日ぶりのゴールとなった。

 この1発でチームが勢いに乗ると、若きエースも続いた。同28分、絶妙なワンツーで左サイドを突破したMFデューク(27)が中央へクロス。相手DFに当たってこぼれたボールをFW北川が冷静に右足で流し込んだ。これで北川はC大阪戦で4戦4得点。前日、「自分が決めてやるという思いしかない」と語った通り、強い気持ちでピッチに立った21歳が有言実行のゴールを奪った。

 あこがれの先輩の前で決めた。この日は、W杯ロシア大会に出場した日本代表FW岡崎慎司(32=レスター)がスタンドで観戦していた。北川は、岡崎が清水時代につけていた背番号「23」を継承。後半30分には、前線からの献身的な守備でチャンスを演出した。岡崎をほうふつとさせる泥くさいプレーも見せた21歳は、J1ではキャリアハイの今季6点目をマーク。攻守で主役になった。

 同22分には、FWクリスラン(26)がダメ押しの3点目を奪った。チームはシーズン中では異例の16連休を取り、「調整不足」が不安視されていた状況下での圧勝劇。2カ月ぶりのリーグ戦で、これ以上ない再スタートを切った。【神谷亮磨】