気温30・6度、湿度71%と蒸し暑かった茨城・鹿嶋市の夏の夜空に、大量の花火が打ち上がった-。それほどのゴールラッシュだった。大量6得点は、12年5月19日の札幌戦(7-0)以来、6年ぶり。大岩剛監督は「選手たちは試合開始から気持ちが入ったプレーができていた」とたたえた。

 FW鈴木優磨の2得点1アシストと前半だけで3得点を奪うと、後半14分にはFW土居聖真がドリブルからMF安部裕葵への縦パスを狙った。これは相手DFにカットされたが、そのボールがまるでワンツーのように自分の前に転がると、右足で押し込んだ。これがクラブ通算1500得点目。通算1300得点も記録している土居は、その“吉報”に「持ってるねぇ~!」と自画自賛して喜んだ。

 その後も19歳のMF安部裕葵と、今季J2東京Vから移籍してきたDF安西幸輝が、J1初ゴールとなる長距離ドリブルからの豪快な1発をたたき出して、大量6点を奪った。安西は「相手のセンターバックが飛び込んで来た瞬間に行けるなと思った。ゴールは良かった」と喜んだ。

 W杯ロシア大会から帰国後に発熱して合流が遅れたDF昌子源も、この試合から復帰。さすがに疲労は隠せなかったが、柏のFW伊東純也らを自由にはせず、要所を抑えるところはさすがだった。鈴木満強化部長も「W杯の前よりも成長している感じはする。自信という部分で」と評し、視察した日本代表コーチの森保一氏も「コンディション的には、心身共にまだまだリカバリーしきれていない状態だと思うが、すごく落ち着いていて、チームに安心感をもたらすプレーをしていた」と話した。

 昌子は「やりづらかったです。いろんな注目度があると分かっていたし、自分自身のプレーを楽しみにしてくださっている方々がいるのも何となく分かっていたので」と漏らしたが「それをプレーで証明するよりかは、いつも通りやってチームが勝てればいいなと思い、しっかりやりました。みんながこの暑い中でしっかり戦った結果だと思いますし、僕1人で勝たせたわけでもない。チーム一丸となった結果かなと思います」と振り返った。