横浜F・マリノスDF中沢佑二(40)はFC東京戦後、8得点で大勝した前節18日のベガルタ仙台戦から一転、5失点で大敗した敗因について「前半、自分たちのサッカーというところに固執して、相手のはまっているところに突っ込んでいっちゃった」と分析した。

 中沢は、報道陣に囲まれると「大勝ちからの大負け…良いイメージを持って臨むのはいいことだと思うんですけどFC東京はシステムも違いますし。しっかりとマリノスの良さを消すところを前半(東京に)徹底された。苦しかった」と振り返った。その上で前半8分に、東京DF太田宏介(30)にFKをねじ込まれて先制を許したことについて「FKで先に点を取られちゃったので、そこの部分も今日の試合運びを難しくした」と語った。

 堅守で耐え抜く中、少ないチャンスをものにするという17年の戦いから、アンジェ・ポステコグルー監督(52)が就任した今季は一転、ラインを高くして主導権を握って攻めるサッカーに取り組んでいる。いい時は仙台戦のように大量得点できるが、悪い時はハイラインの裏を突かれて失点し、敗れる。中沢は「攻めて、攻めて、攻めてカウンターで仕留められる。直していかなければいけないと言われますけど、なかなか。負ける時は、こういう負けで、点を取られる時は、こういう点の取られ方。修整できていない」と、いまだ途上にあることを認めた。

 その上で「マリノスのスタイルを構築するというところに一生懸命なので…(東京戦では)そのデメリットの部分が出た。何とかDFのところで踏ん張りたかったんですけど…監督も選手も腹をくくってやっているんで、何とか今年はやっていくしかない。デメリットの部分をいかに減らしていけるか。個の能力でカバーしていきたい」と語った。一方で「毎試合、点を取れている。それは去年と比べて、格段の進歩なので。失点が増えているのを、どうケアするか」と攻撃面での進歩も強調した。

 後半19分に5点目を失った直後に、ゴール脇に置いてあった水筒の水を飲むと、手にした水筒をピッチに投げ付け、怒りすらにじませて後方から厳しくゲキを飛ばした。その後、チームは後半24分に途中出場のFWウーゴ・ヴィエイラ(29)がPKを決め、同44分には19歳のMF山田康太が右足でこぼれ球をゴール右上に決め、2点を返した。そのことに話を向けられると、中沢は「5点、取られてからじゃ遅いんでね…1、2点入ってから、巻き返すだけのパワーがなければいけなかった」と言い、味の素スタジアムを後にした。【村上幸将】