FC東京DF太田宏介(30)が、横浜F・マリノス戦の前半8分、得意の左足からのFKでJ1リーグ戦では17年4月22日のアルビレックス新潟戦以来1年3カ月ぶりとなる先制弾で、チームを大勝に導いた。

 太田は、FWディエゴ・オリベイラ(28)が倒されて得たFKを、ややタイミングを遅らせて蹴った。ボールは外側に巻く形で回転し、ゴール左に吸い込まれた。「宏介、蹴って下さい…決めて下さいと言わんばかりの壁の配置だった。イメージ通りだったし、選手の頭の上を狙って蹴った。なかなか今シーズン、ああいう位置から蹴ることがなかったので久々…ホームで決められて、良かったです」。試合後、FKを振り返る口調も滑らかだった。

 翌23日が31歳の誕生日で、1日早いバースデーゴールとなった。そのことに話を向けられると、試合2日前の20日が、後半15分にチーム4点目を決めたMF東慶悟の28歳の誕生日で、東京OBでワールドカップ・ロシア大会に出場したFW武藤嘉紀は、15日が26歳の誕生日だったことを自ら語り出した。そして「よっち(武藤)と、おめでとうって言い合い、一昨日は慶悟におめでとうと言って、明日は僕なので。おめでたいことが続いて、しかも自分が点を取れて、うれしいです」満面の笑みを浮かべた。

 首位サンフレッチェ広島が最下位名古屋グランパスと0-0で引き分けたため、勝ち点差は7に縮まった。太田は「試合が終わった後に聞きましたけど、自分たちが勝ち続ければ差は詰められる。連戦を全部勝つつもりで、強い気持ちを持ってやりたい」と力を込めた。

 その上で「健太さんが締めるところを締める雰囲気作り…普段の練習から植え付けられている。ちょっとでもサボったら、試合に出られなくなるという恐怖感もあるし、びびりながらやっている」と、の長谷川健太監督(52)のチームマネジメントの巧みさが、刺激になっていると苦笑交じりで強調した。【村上幸将】