柏レイソルの加藤望監督(48)は、後半の2失点で敗れたベガルタ仙台戦後の会見で「決めきれない中でスキ、カウンターを食らって失点する形になったのは、ゲームを作るのは未熟…僕自身の問題もたくさんあると感じていた」と自らの責任を口にした。

 この日はチケットが完売し、1万2666人で満員札止めとなったが、5月5日のジュビロ磐田戦から泥沼のホーム5連敗となった。加藤監督は会見の冒頭で「たくさんのお客さんに足を運んでいただいた中で、声援に応えられず申し訳ない」とサポーターへの謝罪の言葉を口にした。その上で「下を向かず、選手と切り替えなければいけないという思いがある」と言葉を振り絞った。

 前半は仙台を押し込み、後半は一進一退の展開だった。その中、同14分に一瞬のスキを突かれたように左からのクロスボールを押し込まれて先制を許すと、同35分にはカウンターから仙台FW西村拓真(21)にドリブルでピッチ中央を独走されると、止めきれずに右足で強烈なシュートをたたき込まれた。「トレーニングからトライしているところではありますが、チャンスを作っているが決めきれない、最後にシュートを打ちきれない課題が、まだまだあるなと思う」と、決めきれずにカウンターを食らうことを敗因に挙げた。

 質疑応答の中で、右サイドで攻撃の軸になる伊東純也(25)が孤立しているのでは? との質問が出た。加藤監督は「後ろ(DF)の小池(龍太)だったり、中盤、トップも含めた右サイドの攻撃は、なかなか警戒されて、パスコースを消されたり…。その先を作らないと、とトライしていますが、うまくいかなかった」と苦悩をのぞかせた。

 ホーム5連敗について聞かれると「ホームで絶対に勝ちたいと思って選手は臨んでいる。攻撃にパワーを出していると思いますが、しっかり受けられてしまい、受けられた相手を崩しきれず、打ち切れない」と語った。

 加藤監督は、下平隆宏前監督の解任を受けて、5月13日にヘッドコーチから昇格し、初陣となった同20日の名古屋グランパス戦で白星スタートを切った。ところがワールドカップ・ロシア大会の中断が明けた7月18日のFC東京戦から4連敗。前節5日にアウェーで北海道コンサドーレ札幌に2-1で打ち勝って連敗を止めたが、連勝はならなかった。「カウンターを覆すだけの攻撃もしないといけない。カウンターを阻止して、また出る展開を自分たちも理解しないといけないし、違う戦いもトライしないといけない」と苦境打開へ、新たな戦術に着手する考えも示唆した。

 宮城県出身ということもあり、質疑応答では故郷のチーム・仙台と戦った感想も聞かれた。加藤監督は「守備からのカウンターを警戒していたが、ベガルタさんの良いところを引き出してしまった。もちろん(故郷のチームに)負けたくない思いがあり、お互い良いゲームが出来ればとは思っていた」と語ったが、その言葉に力はなかった。【村上幸将】