ガンバ大阪からヴィッセル神戸に期限付き移籍するFW長沢駿(29)が13日、大阪・吹田市内でチームメートに最後のあいさつをした。この日、移籍が発表され「急だったので、やっと整理ができた。最後、みんなの前で話す時は寂しさもあって泣きそうになったので、途中で切り上げた」と明かした。

 15年夏に清水からG大阪へ加入した長沢。移籍直後は試合に出られないこともあったが、チャンピオンシップ出場権を得るために負けられないシーズン終盤のJ1浦和戦で移籍後初ゴールし、徐々に存在感を示した。

 「(G大阪に)来た年は試合に出られなくて、でも(広島との)チャンピオンシップ(決勝第1戦)で点を取れて、次の年(16年)は点を重ねることもできた(21試合9得点)。1年1年が素晴らしい年になって、みんなに感謝したい」

 昨季はチーム得点王で自身キャリアハイの10得点。日本代表候補にも、名前が挙がる活躍を見せた。

 今年30歳になる長沢にとって新天地は「新たな挑戦」だという。G大阪へ移籍した時も序盤はチームにとけ込むまで時間がかかり苦労した。「だからこそ相当の覚悟を持って決断した」と、力強く話した。

 神戸には元スペイン代表MFイニエスタ、元ドイツ代表FWポドルスキら世界クラスが在籍する。「そういう選手と同じチームでできる選手は数少ない。自分のサッカー人生では財産でしかない。もみくちゃにされながらも、はい上がっていきたい」。G大阪への感謝を何度も口にして、192センチのFWはクラブハウスを後にした。