首位の松本山雅FCの勢いが止まらない。6月23日にジェフユナイテッド千葉戦に4-2で大勝してから3連勝、1分けを挟み、1-0で勝った前節11日のカマタマーレ讃岐戦まで5連勝。ファジアーノ岡山に勝ち3連勝で2位浮上の大分トリニータ、台風12号の影響で1試合、消化が少なく、得失点差で大分にかわされた暫定3位FC町田ゼルビアとの勝ち点差は6と、やや開いてきた。

 松本が今節、ホームに3位の町田を迎え撃つ1戦は最注目だ。松本は過去、J2リーグ戦で町田に2勝1分けと負けがない。公式戦で見ても、ホームで初めて対戦した2010年11月6日のJFL後期第14節で1-2で敗れたのが、唯一の敗戦だ。その試合に出場した選手で、現在もクラブにとどまってプレーしている選手は松本DF飯田真輝、町田DF深津康太の2人だけだ。

 松本は讃岐戦の前半3分、左CKからDF浦田延尚が頭で押し込んだボールを守りきった。後半には讃岐の波状攻撃にあったが、GK守田達弥を中心に耐え切った。ゴール前に鍵をかけたような堅守を崩すのは、対戦相手にとって容易ではないだろう。その堅守から、50メートル5秒8の快足を誇るFW前田大然につなぎ、一気に攻めるのが攻めの1つの形だが、前田はU-21日本代表としてジャカルタ・アジア大会に参戦中。2戦連続先発中のFW永井龍の奮起に期待したい。

 一方、町田は12日の千葉戦で、ホームながら後半30分からの8分間に3連続PKを喫し、3-3で引き分けた。そこからの切り替えが出来ているかがカギだ。その中、アジア大会メンバー落選後、2戦連続2ゴール中の、MF平戸太貴のひらめきあるプレーが試合を左右すると見る。

 2位大分が、J1昇格プレーオフ圏内6位の東京ヴェルディとアウェーで激突する上位対決も、松本と町田の1、3位直接対決に並ぶ注目のカードだ。大分は1分け2敗とここ3戦、東京Vに勝てておらず、17年以降、1点も取れていない。スペインリーグで20年以上指揮を執ってきた、東京Vロティーナ監督が構築する堅守を崩し切れていない印象だ。大分はワイドを広く使った攻撃サッカーで、ここまで50得点と、J2の22チームで唯一、得点を50点台に乗せている。3戦連発、4ゴールと好調のFW三平和司に期待がかかる。

 一方、東京Vは前節11日のモンテディオ山形戦に1-2で敗れ、連勝が3、無敗が5でストップした。その上、同戦にも先発し今季リーグ戦28試合全てに出場していたDF畠中槙之輔が、14日にJ1横浜F・マリノスに移籍。大分戦を前に守備力ダウンは否めない状況だ。

 東京V対大分の結果次第で、動きが出てきそうなのが、東京Vと勝ち点1差の44でJ1昇格プレーオフ圏を狙う7位大宮アルディージャが、4連敗で19位に沈み、監督解任で揺れるアルビレックス新潟をホームで迎え撃つ1戦だ。大宮はJ2リーグ戦では新潟にホームで3連敗中だが、それは2002年から2003年の話で、J1リーグ戦も含めると、1-0で勝った4月22のアウェー戦を含め3連勝中だ。

 エースのFW大前元紀が12日の前節・愛媛FC戦でハットトリックを達成するなど、ここ3試合で4ゴールと絶好調。19得点で20点の大台が見えてきた。7日に鈴木政一前監督が解任され、片渕浩一郎ヘッドコーチが指揮を執った11日の栃木SC戦でも0-3で完敗し、4連敗の新潟を撃破すれば、東京Vの結果次第でJ1昇格プレーオフ圏入りの可能性もある。

 結果次第で2位以下の変動もあり得る今節は目が離せない。