3位FC東京が今季初の逆転負けで、同じく初の3連敗を喫した。2-0からの悪夢の逆転負けだった。

 「何とか連敗を(2で)止めよう。選手は素晴らしい試合をしてくれた」(長谷川監督)という前半は、気持ちが乗って2点を先行した。33分にFWディエゴ・オリヴェイラが先制し、ロスタイム1分にはDFチャン・ヒョンス主将が右CKを頭で流し込んだ。

 しかし、指揮官が「2点リードしたからか、入りが緩くなってしまった」と悔やむ後半にスコアが動く。8分に1点を返され、23分にもゴール正面を破られて同点被弾。さらに4分後、札幌MFチャナティップに豪快な右足ミドルシュートを突き刺され、ひっくり返された。

 長谷川監督は「2-0からの負けは本当に悔しい。緩くなってしまったのは大きなポイントで、ゴール前の寄せも甘くなった。気持ちの問題」と振り返った。

 ワールドカップ(W杯)ロシア大会から戻った後、クラブで初ゴールを決めた韓国代表のチャンも険しい表情。ピッチで2点目を決めた時は満面の笑みだったが、取材エリアでは言葉に怒りを込めた。「いくら前半が良くても試合は90分間。最悪だったし、得点はしたけど残念でしかない」。さらに語気を強め「2-0になって、みんな安心したのか。チームのために戦ったのか、それとも個人のことを考えていたのか分からない。強い気持ちで勝利への執念を見せなければいけないのに、今日はプロの姿ではなかった」と続けた。

 キャプテンとして言わずにいられなかった。「本当は、こういう悪い言葉を使ってはいけないのかもしれないけど」と断った上で「戦う気持ちを取り戻さないといけない」と指摘。今季は経験のなかった逆転負けと3連敗からの再浮上を誓い、仲間にも訴えた。

 チームは22日に天皇杯でモンテディオ山形と戦い、26日にリーグ戦のアウェー湘南ベルマーレ戦に臨む。優勝争いに踏みとどまるためにも、司令塔のMF高萩は「まず天皇杯。リーグ戦のことは、山形戦が終わってからでいい。勝つことだけ考えたい」と強調。目の前の試合に集中し、再起すべく気持ちを切り替えた。