湘南ベルマーレの19歳MF斉藤未月は、ヴィッセル神戸のスペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)とマッチアップし、左ひざを“削り”もん絶させるなど、世界的なMF相手にも一歩も引かない果敢なプレーを見せた。

 斉藤は前半3分、サイドでこの日ファーストタッチしたイニエスタに激しくプレスをかけたが、かわされた。それでも厳しくイニエスタにプレスをかけ続けた。そして前半22分、斉藤のプレーが、イニエスタの1プレーに沸くホーム・BMWスタジアム全体を一瞬、驚かせ、凍り付かせた。ピッチ中央にいたイニエスタが、左足でパスを出したタイミングで、斉藤がプレスをかけて接触。イニエスタが左ひざを押さえてその場に倒れ込み、もん絶すると、斉藤は心配そうにのぞき込んだ。

 その場面について聞かれると「確かに、ちょっと痛めていたんで、ビックリしたところはありましたけど、すぐ立ち上がってくれて良かったです。自分的に、完全にアフター(プレー後)にいってしまった意識があったので、ケガしなくて良かったです」と苦笑いした。

 一方で、世界的な選手に厳しく行き続けたことについては「試合中なので、そこは関係ないですし、むしろイニエスタ選手の方が、そういう削られたりするのに、慣れているのかなと思いました」とも口にした。U-19日本代表として6月にロシアに遠征し、ワールドカップ・ロシア大会に出場した日本代表の練習相手も務めた。次代の日本を支えると期待される存在だけに「常に顔も上がっていますし、見習うところがたくさんある。Jリーグでも世界の中でもトップなので、先制点の場面もイニエスタ選手のボールから失点したのは悔しい。ただ、ボールが取れない感じではない。マッチアップして何回か奪えた」と強気に言った。

 試合終了直後に、DF山根視来(24)と言い合うような、険悪な場面も見られた。そのことについて聞かれると「チーム内で、僕と視来さんが…。よく、あることではないですけど、僕が突っかけてしまってというのがあったので。そこは(ロッカールームで)しっかり話し合って、解決できたので大丈夫です。そこ(チームの雰囲気)は全然、大丈夫です」と理解し合えたことを強調した。【村上幸将】