清水エスパルスは手痛いドローに終わった。浦和レッズと壮絶な打ち合いの末に、3-3。MF金子翔太(23)が2得点を挙げ、2試合ぶりに先発復帰したFWドウグラス(30)も豪快なヘディングゴールを決めた。だが、3度のリードを守りきれなかった。ヤン・ヨンソン監督(58)は「いい内容だったと思うが、3失点したことは満足できない」。試合後の表情は険しかった。

 勝てた試合だった。前半6分に金子がスルーパスに抜け出し、右足で先制点を挙げた。リーグ戦では5月12日の湘南戦以来8試合ぶりの得点。先月24日の第1子誕生後は初得点となり、自ら「ゆりかごダンス」を披露して歓喜した。

 2-2で迎えた後半18分にもクロスバーに当たって跳ね返ったボールを金子が右足ダイレクトで押し込み、勝ち越しに成功。三たび突き放したが、一瞬の隙を突かれた。同27分にセットプレーの流れから失点し、3-3。3度リードした展開も勝利にはつながらず、金子も「ミスも絡んで集中力も欠けた場面があった」と悔しさをにじませた。

 チームはリーグ再開後、3連勝から3連敗。負ければ下位に吸収される可能性もあった一戦で踏みとどまり、連敗は「3」で止まった。勝ち点3を取りこぼしたが、昨季のアジア王者相手に見せた積極的な攻撃は次戦につながる。金子は「アグレッシブな姿勢は次も続けて、勝ち点3を取りたい」と気持ちを切り替えた。【神谷亮磨】