ジュビロ磐田が「記念弾」2発で3戦ぶり勝利をつかんだ。ホームで柏レイソルに2-0。前半6分、MF松本昌也(23)が、2017年の加入後初得点を決めて先制。同13分には、FW大久保嘉人(36)が移籍後初得点で、Jリーグ通算200号をマークした。守備陣も5試合ぶりの無失点で応え、連敗を2で止めた。チームの順位は10位で変わらずも、混戦のリーグで大きな勝ち点3を手にした。

 ヤマハスタジアムに、待ち望んでいた光景が広がった。3試合ぶりの勝利を告げる笛が鳴り響くと、名波浩監督(45)は手をたたき、スタッフとハイタッチ。選手は抱き合い、サポーターは歓喜のジュビロコールを何度も繰り返した。

 0-0の前半6分。中盤でボールを奪ったMF山田大記(29)のスルーパスに、MF松本が抜け出した。GKとの1対1を迎えると、冷静に右足でゴール左へ流し込んだ。昨季の加入から29試合目で迎えた待望の「磐田初ゴール」。ゴールパフォーマンスでは、前日18日に誕生したDF大井健太郎(34)の長男へゆりかごダンスを贈った。

 前節浦和戦で今季3度目の連敗を喫して迎えた一戦に、指揮官は「今、我々に必要なのはメンタル的なアドバンテージ」。何よりも欲しかった先制点を7試合ぶりに奪うと、チームに勢いが生まれた。

 同13分、FW大久保にもその時が来た。ゴール前でDF森下俊(32)の横パスを受け、冷静に1トラップ。右足でゴール左へ決めた。今夏、「(J1)200得点を取りたい」と悩み抜いた末に移籍を決断。新天地で迎えた7戦目に、自身の持つJ1最多得点を182点に更新。J2を含めたJ通算200得点も達成し、両手を広げて待つ名波監督の胸へ飛び込んだ。

 守備陣も最後まで集中を切らさずに、5試合ぶりの無失点で試合を締めた。負ければ下位との差が縮まる状況下、全員でつかんだ勝利。チームにとって、自信を取り戻す1勝になるはずだ。【前田和哉】