鹿島アントラーズが、アウェーでのロスタイム決勝弾で敗れた雪辱をそっくりそのままお返しする、ロスタイムでの勝ち越しゴールで、湘南ベルマーレを2-1で下した。

ともに9日のルヴァン杯準々決勝を勝ち抜いた鹿島アントラーズと湘南ベルマーレの対決。3人だけ先発を入れ替えた湘南に対して、18日にアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第2戦を控える鹿島は6人を交代して臨んだ。

序盤は、前半5分に日本代表帰りのMF三竿健斗がミドルシュートを放つなど鹿島がリズムをつくったが、3-4-2-1の変則フォーメーションを取る湘南が徐々にボールを支配。サイド攻撃を仕掛けてカットインからミドルシュートを放つなど幾度となく決定機を演出した。

鹿島は湘南の中盤の選手を捕まえきれず、ベンチから控えのDF内田篤人がテクニカルエリアに出てきて、左サイドバックの安西幸輝に助言する場面もあった。

ハーフタイムで大岩剛監督から「相手の2列目の動きに対してしっかりマークにつくこと」「攻撃のとき、前線の選手は1人1人の距離感をもっと近くしよう」「サイドからのクロスに対し、しっかりと中に人数をかけよう」と指示を受けて修正した鹿島。後半の出だしで、いきなり湘南の隙を突いた。

後半4分だった。ペナルティーエリア右のゴールライン付近で得たFK。GKがクリアしたボールを、ゴール右付近でトラップしたDF西大伍が、タイミングをずらしてふわりとした浮き球をファーサイドに送る。これにFW土居聖真が頭から飛び込んだ。鹿島が先制した。

だが、湘南もワンチャンスを生かした。後半21分、右サイドのMF岡本拓也が切り返してドリブルで進入し、左足で中に放ると、途中出場のMF梅崎司が頭で合わせた。1-1の同点に追いついた。

引き分け濃厚かと思われた。だが、後半ロスタイムだった。鹿島の西から前線に送られた鋭いボール。これに途中出場のFW鈴木優磨が思いっきり飛び込んで頭で勝ち越しゴール。4月のアウェー湘南戦ではロスタイムに決勝ゴールを奪われて負けていたが、ホームでまさにリベンジ。土壇場で鹿島が勝利を奪った。