前節は、結果次第で残留争いの展開が大きく変わりかねないと予想したが、最下位V・ファーレン長崎、17位ガンバ大阪、16位サガン鳥栖の下位3チームがそろって勝った一方、15位の柏レイソルが敗れ鳥栖と順位が入れ替わった。13位湘南ベルマーレと14位の横浜F・マリノスも敗れ、順位こそ変わらなかったが横浜は鳥栖と勝ち点で並び、湘南も同1差と接近した。

一方、優勝争いも首位サンフレッチェ広島、3位FC東京が敗れた一方で、2位の川崎フロンターレが北海道コンサドーレ札幌に7-0と大勝。台風12号の影響で1試合、消化が少ない中、広島に勝ち点6差と肉薄し、連覇への可能性が広がった。

上位はACL出場圏内の東京が勝ち点42で、広島との勝ち点差が13と開いた一方、6位セレッソ大阪との差は2に詰まった。一方、下位も長崎とG大阪との勝ち点差は3あるが、G大阪と横浜、鳥栖、柏は2、湘南は3と接近し、12位名古屋グランパスとの差も4しかない。ACL出場権と残留をかけた争いは、さらに激化している。

今節は、上位争いでは広島が東京をホームに迎え撃つ試合に注目だ。東京は3連敗を含む6戦未勝利と苦しい上、日本代表DF室屋成の出場停止は痛いが、ここで広島に敗れるようなことがあれば、優勝戦線から脱落を余儀なくされる。過去の対戦成績で見ると、公式戦ではここ7戦で5勝1分け1敗、リーグ戦でも3勝1分け1敗と分は良い。4月25日のホーム戦では、FWディエゴ・オリベイラの2発などで3-1で快勝し、広島に今季リーグ戦初黒星をつけた。

川崎Fはホームで、前監督の風間八宏監督率いる名古屋と対戦する。かつての恩師との初対決となった3月のアウェー戦では、FW大久保嘉人(現ジュビロ磐田)が後半20分に出場し、ファーストプレーで決めたゴールを守りきって1-0で勝った。その試合で川崎Fの一員としてフル出場したMFエドゥアルド・ネットが今夏、名古屋に移籍後6戦連続先発している。

15日の長崎戦で敗れ、連勝は7で止まった名古屋だが、川崎Fにとって手の内を知られているネットと、7戦連発&7得点のゴールラッシュで20点の大台に乗せ、得点ランクトップに立ったFWジョーは要注意だ。

下位では、柏が勝ち点で並ぶ鳥栖をホームに迎え撃つ1戦が、今後の行方を争う生き残りマッチの様相を呈する。柏はリーグ戦では鳥栖に2勝1分けとここ3戦負けなしだが、公式戦では7勝7分け7敗と五分。その上、ホームの三協F柏では今季、リーグ戦でわずか4勝、勝率29%と結果を残せていないのが気掛かりだ。鳥栖もアウェーの勝率は、ホームの41%に遠く及ばない7%にすぎないが、日本代表GK権田修一を中心に、体を張った守りは堅く、柏も要注意だ。

広島対東京、柏対鳥栖を中心に終盤、正念場が続きそうだ。