イメチェンした守護神がクラブ初の2年連続J1残留へ、ゴールを許さない。北海道コンサドーレ札幌GKク・ソンユン(24)が、今日20日のアウェー湘南ベルマーレ戦(BMWス)での完封勝利に意欲を示した。19日、札幌・宮の沢での前日練習では、コーチ研修で来札中の元韓国代表・車ドゥリ氏(38)とそっくりの丸刈り頭に変身して登場。気合十分に敵地に乗り込んだ。

グラウンドに立つクは、ひときわ輝いていた。連日の雨天から久しぶりの晴天の下で日差しが反射していた。前日18日と一変。髪の毛を全て剃り上げた丸刈りスタイルになっていた。ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)から頭をなでられるなど、チームメートからの反響に照れくさそうにしながら、練習では集中。湘南戦への調整を終えた。「体は軽くなりましたね。3兄弟になりました。車ドゥリさんと小野伸二さんと」と、笑いを誘っていた。

17日から、元韓国代表の車ドゥリ氏が、ペトロビッチ監督の指導を学ぶために札幌の練習を訪れており、一緒に食事もした。FWで02年ワールドカップ(W杯)日韓大会メンバーとして4強入りし、ドイツなどでも活躍した母国の元スター選手との有意義な時間。「いいアドバイスをもらった。ポジショニングとか。海外の経験の話とか」。約2週間ぶりのリーグ戦を前に、たっぷり刺激を受けると「急にやりたくなって。相談して」。自らバリカンを手にし、おそろいの丸刈りにチャレンジした。

チームは勝てばJ1残留が決定する。現在5位につけており、ACL出場圏内3位を目指しているとはいえ、J1残留は過去2年連続が最長。3年間のJ1定着はクラブの念願でもある。湘南はルヴァン杯決勝進出を決めたばかりで勢いに乗るが、クは「いつも頑張ってやろうとは思っているけど、無失点なら負けることはないので。頑張ります」。完封で価値のある勝ち点3をつかみに行くつもりだ。【保坂果那】

◆車(チャ)ドゥリ 1980年7月25日、ドイツ生まれの元韓国代表選手。02年W杯日韓大会4強メンバーで、10年南アフリカ大会も出場。ポジションはFWからDFに転向した。フランクフルトやデュッセルドルフ(ドイツ)、セルティック(スコットランド)でプレーし、15年に引退。父は名ストライカーとしてドイツで活躍し、元韓国代表監督も務めた車範根(チャ・ブングン)。コーチ研修で、17日からこの日まで3日間、札幌の練習に姿を見せていた。