2位のINAC神戸が日テレの胴上げを阻止した。4年連続16度目の優勝を目指す首位の日テレと直接対決。倍の14本のシュートを浴びながら、スコアレスで引き分けた。

DF三宅史織(23)と鮫島彩(31)のセンターバック2枚を中心に、バイタルエリアまで運ばれたボールをことごとくクリアした。今季から指揮を執る鈴木俊監督(44)は「90分間体を張って粘り強く守っていた」と評価した。

7月のリーグカップ決勝では0-1で敗れた。引き気味に守備を敷いて延長間際まで持ち込んだが、後半40分の失点に泣いた。今節は「引いて負けるならこれをやって負けた方がいい」と、DFラインを高く設定。「ゴールから遠ざける意識」を共通認識として定め、中盤のスペースを狭めた。鈴木監督は「結構突破はされてしまったけど、カップ戦の負けからやり方を学ぶことができた」と手応えを感じた。

一方で攻撃面では精細を欠いた。なでしこジャパンFW岩渕真奈(25)は「負けなかったことは一つの自信にしたいけど、チャンスらしいチャンスはなかった」と厳しく評価。「アイナックはまだ綱渡りのパスが多い。もうちょっと主導権を持って戦いたい」。日テレとの勝ち点は変わらず5差。逆連優勝は他力となるが、残り2節に全力を尽くす。