清水エスパルスFW北川航也(22)が日本代表の実力を証明した。前半19分、右CKのチャンスでゴールへの欲を出した。「相手をひきつけてほしい」。プレー再開直前で味方に指示を出すと、ニアサイドに突進。相手のマークを完全に外し、右足ダイレクトで右上に突き刺した。「狙っていた形だった」。期待される中で4試合連続ゴールを挙げ、今季2度目の3連勝に導いた。

12日の国際親善試合パナマ戦(新潟デンカS)でA代表デビュー。プロ4年目の10月、新潟でのデビュー戦はクラブの大先輩でもあるFW岡崎慎司(32=レスター)と同じだった。全国的に無名だったこともあり、取材の内容も岡崎の話題が中心。もっとも、北川自身は「あこがれの選手」と前置きした上で、プライドをのぞかせた。

「岡崎さんはヨーロッパで活躍されている。自分は自分。今置かれている環境で結果を残し続ければ、道は開けてくると思う」

「第2の岡崎」ではなく、「清水の北川」として再開戦に臨み、結果を残した。今季はここまで12得点8アシスト。クラブでは01年のMF三都主アレサンドロ以来となる、得点&アシストの「ダブル2桁」も視野に入れた。日本代表は追加招集だったが、国内組のFWでは今最も勢いに乗っている。「結果を残し続けてチームに貢献したい」。清水の若きエースは、代表定着への階段を1歩ずつ上っている。【神谷亮磨】