北海道コンサドーレ札幌は湘南ベルマーレと2-2のドローに終わった。2度リードを許すも追いつき、シュート数は湘南の8本を大きく上回る22本を放ったが、突き放すまでの迫力に欠けた。勝てばクラブ初の2年連続J1残留も決まったが、確定は次節以降へと持ち越し。勝ち点1を上積みしたが、順位は5位から6位に後退した。

勝ち点3を奪える試合だった。試合後の札幌イレブンは、だれもが悔しさをあらわにした。前半、湘南に許したシュートはたったの1本。39分、その唯一のシュートを決められ、先制された。ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)は「相手の最初のシュートが入ってしまい、我々にとっては苦いものになった」。チャンスをつくるも決めきれず、試合終了までピッチで苦しみ抜いた。

ほとんどの時間、押し込みながら、スコアは常に追いかける展開だった。意地を見せたのは、後半5分。右CKからゴールポストにはじかれたボールをDF宮沢が触り、こぼれたボールをFWジェイが押し込んだ。だが、追いついた10分後。湘南にFKからサインプレーを決められ、再び1点のビハインド。好機の少ない相手に許した2点目が痛かった。

チャンスは圧倒的に札幌が多かった。勝ち点1を分け合った理由を指揮官は「最後の精度が低い」と分析した。ピッチを縦、横に大きく使い、攻め立てたが、フィニッシュが決まらない。それでも引き分けに持ち込んだ2点目には、今季追求するスタイルが詰まっていた。後半31分、相手ボールを奪ったMF駒井が、素早いパスで展開。MF都倉のスルーパスをペナルティーエリアに走り込んだMFチャナティップが決めた。この1点がもう少し早ければ、試合の結果も変わったかもしれない。

勝てばクラブ初の2年連続J1残留が決まる節目だった。次節以降に持ち越しとなったが、チャナティップが「チームの目標は残留じゃなくてACLだから」と言うように、選手の目線は下ではなく、上を向いている。順位は1つ下げたが、3位とは勝ち点1差。「残り5試合の中で勝ち点3を取っていけるように全力を尽くしたい」とチャナティップ。次節アウェー名古屋戦から、勝ち星を重ねていく。【保坂果那】