「しくじり先生」が中学生に「100%の全力投球」を説いた。元サッカー日本代表で、昨季限りで現役引退した元ベガルタ仙台の平山相太氏(33=仙台大1年)が12日、船岡中(宮城・柴田町)で約450人の生徒たちを前に、教育講演会を行った。成功体験と失敗談を交えながら、軽妙なトークで夢実現を後押しした。

「ソウタ100%」で赤裸々に人生を振り返り、金言を伝えた。190センチの平山氏が背筋を伸ばして壇上に上がった。緊張からか、つかみでは滑りまくり。講演テーマの「七転び八起き」を英訳(Always rising after a fall)で紹介しても、生徒は「?」。「僕を知っている人?」の反応もまばらで、「それはショック」。それでも「友達だと思って話すよ。ヨロシクね」とタメ口に変えて調子が上がり、初恋の思い出をまぶしながら「舌」好調になった。

伝えたかったのは、「好きなことに100%の気持ちで向かう」大切さ。自らのサッカーへの情熱度を例に説明した。「カズ(三浦知良=現横浜FC)が格好良かった。女の子にモテる」と、競技を始めた小学生時代は100%、「海外のクラブでプレーしたい」と夢が広がった中学時代も100%。だが「年代別の日本代表を逃し、プロになれるのか疑問を持った」と高校で70%、プロ入り後は「勝手に自分を評価して、ワールドカップは無理だろうな」と30%まで低下した。

失敗談の結論としては、「準備が足りなかった。現実を見比べて、自分が劣っているように思ってしまった。海外で活躍する選手は、夢に対する気持ちが常に100%」と振り返る。今春から仙台大に入学し、保健体育の教員免許取得のために体育学部で学ぶ。だからこそ、将来のある中学生には「自信を持ち、諦めず、強い気持ちで常にいること。自分を好きになってください」と訴えた。

質問コーナーでは、古巣仙台のユニホームに早変わりした生徒のドッキリに苦笑いも、日本代表でプレーした本田圭佑(32=メルボルン)との秘話を披露。「スルーパスをもらった試合後、『こんなパス、来たことないでしょ? 伸びしろですね』」とモノマネを交えて場を盛り上げ、ドヤ顔で締めた。【中島正好】