J3のSC相模原の元日本代表GK川口能活(43)が14日、相模原市役所で引退会見を開いた。川口は身長180センチ、77キロとGKとして小柄な体がプロ入り後、コンプレックスだと明かした上で、それらをはね返そうとするエネルギーを得られたことが、GKというポジションから学んだこと、25年、プロ生活を続けられた秘訣(ひけつ)だと語った。

川口は「高校までは言われたことがなかったけれど、プロに入ってから常に代表、ワールドクラスのGKたちに比べ、身長がないと言われ続けた。強がっていましたけど、内心では身長がないことはどうしようもない。動きの早さジャンプ力で、自分のコンプレックスを克服する…足りないものを努力するためのエネルギーを、GKを始めたことで知ることが出来た。エネルギーのやり方、手段を学ぶことが出来た」と語った。その上で「背がない中で練習し、長いプロ生活を送られた…努力を続けることの大切さ」と、努力を知ったことが25年プロ生活を送ってこられた理由だと語った。

GKとはどういうポジションだと思うか? と問われると「やはりGKは最後のとりで…頼られる存在だと思うんですよね。自分にとって環境の変化、心情の変化によってプレースタイルが変わり、若い時と中堅、ベテランになった上でのアプローチをまた変えていく作業を続けていく中で、全てにおいて変化があるべきポジションかなと思いつつ、自分の中で譲れないもの、強さもしっかりないといけない、変化に応じてのバランスが、より高い位置で求められる重要なポジション」と説明した。

GKに求められることは? と聞かれると「求められることは不動のメンタル。浮き沈みがあったらいけないし、そこを突かれるし、戦うステージがだんだん、トップから遠ざかっていく。メンタルが重要」とメンタルの強さが欠かせないポイントだと力を込めた。

シュートを止めるコツは? と聞かれると「目力で相手を威圧するくらい。キッカーの質も上がっていますし、PKを止めるGKも増えている。特にコツはない」と笑いながら答えた。【村上幸将】