第26回を迎えた大会で横浜F・マリノスが清水を下し、8年ぶり2度目の優勝を飾った。両者攻め合い、白熱した決勝戦。チャンスを逃さずに決めきった横浜に軍配が上がり、全56クラブの頂点に立った。

前半38分、FW栗原秀輔(18)が自ら持ち込んでペナルティーエリアすぐ外からミドルシュート。右足で決め、先制した。後半22分にはDF木村卓斗(18)が右サイドを突破。ゴール前で強引にDF2人をかわし、左足の豪快なシュートを決めた。

栗原は今大会8点目。大会得点王に輝いた。準決勝で2得点し、得点ランク首位に並んだため「決勝で決めて単独得点王になる」と意気込んでいた。有言実行のゴールに「点を取れると思っていた。味方がつないでくれたボールだったので、決めたかった」。これまではクロスやパスに合わせる得点が多かったという。この日は自ら打開して奪った点で「自分で生み出して違いを出せるプレーができた。自分自身で変わったなと思う」と成長を実感した。

右サイドバック(SB)だが、FWのような一発を決めた木村は「(周りにパスを)出せ、出せと言われていたけど、決めたい気持ちがあった」。西谷冬樹監督(48)からの「点を決められるSBになれ」という教えを体現した。

高い攻撃力を生かした横浜が、夏の日本クラブユース選手権王者の清水エスパルスを倒して優勝。準決勝を終え、決勝に臨むまでの1週間は「緊張感を感じた」(西谷監督)という。それでも、舞台に立てば冷静に戦い抜いた。栗原は「気持ちを前に出す、気持ちの見えるプレーが全員できていた。1つになってつかんだ頂点」と満面の笑みだった。