ルール改正をフル活用する。北海道コンサドーレ札幌の三上大勝GM(47)は20日、Jリーグ理事会で外国籍選手枠拡大が正式決定したことを受け「(同時)出場が5人許されるなら、それに近い人数は基本確保して編成する。出場の最大数の選手を獲得する方向ではいる」と、今後の積極的補強方針を明かした。

今季までは同時出場3人に制限されていた外国籍選手が、J1では来季から5人に拡大される。タイ出身で「提携国枠」となり、外国籍にカウントされないMFチャナティップを除けば、現在はFWジェイ、DFキム、GKクの3人が対象。仮に全ての選手が残留しても、あと2人の外国籍選手が出場可能となり、層を厚くするためにも新外国籍選手の獲得を目指す。

ヴィッセル神戸にMFイニエスタが加入したように、世界的ビッグネームがJリーグに参戦する機会も増える可能性がある。ビッグクラブが戦力面で有利になる一方、チーム人件費がJ1・18クラブ中15位(昨年度)の札幌にとっては喜ばしい改正とは言えない。それでも同GMは「(札幌にとって)確かにマイナスになるけど、やりがいもあるし、そういうチームにもやり方がある。各クラブの色がより出やすくなる」。ペトロビッチ監督のもと、攻撃的なサッカーを展開し4位につける札幌。クラブ史上初めて3季連続でJ1を戦う来季へ向け、ルール改正も不安要素ではない。【保坂果那】

◆外国籍選手枠の変更 現行ルールでは、各リーグ一律で原則3人までの出場だったが、来季からJ1は5人、J2とJ3は4人に増やす。Jリーグ提携国のタイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、マレーシア、カタールの国籍を有する選手は、外国籍選手の人数に含めない。