北海道コンサドーレ札幌が浦和レッズから期限付き移籍中のMF駒井善成(26)を、来季は完全移籍で獲得する方針であることが21日、分かった。正式なオファーはシーズン終了後となるが、本人には既にクラブの意思は伝えており、浦和との交渉を待ち、獲得へ本格的に動く。現在4位のチームの躍進に貢献した立役者を、来季の大事な戦力として構想している。

札幌が駒井の完全移籍での獲得に乗り出す方針を固めた。クラブ関係者は「欲しいと思っている。能力的にも疑いないので」と明かす。具体的な交渉はシーズン終了後。所属先の浦和の意向なども確認した上で正式なオファーを出し、交渉を本格化させるつもりだ。来季の構想に駒井が欠かせないことは、本人の耳にも入れているという。

浦和から期限付き移籍で加入した今季、リーグ戦は28試合に先発出場。左腕骨折による欠場をのぞき、レギュラーの座を守り、J1での自己最多出場数を更新中だ。主戦場は右サイドハーフだが、ボランチやシャドーも務めた。突破力に優れ、質の高いクロスなどでチャンスを演出。得点こそないが5アシストをマークした。クラブ側はプレーぶりを高く評価し、3季連続のJ1となる来季も欠かせない存在と考えている。

「ミシャ流」の攻撃的サッカーをチームへ定着させた男だ。昨季まで浦和を率いたミハイロ・ペトロビッチ監督(61)の下でのプレーが3シーズン目となった今季。指揮官の戦術への理解が深く、キャンプ時から誰よりも指示への対応に優れていた。チームメートへの戦術浸透を助けた部分もあり、貢献度は高い。

初のACLを目指すクラブとしては、昨季同大会を制覇した浦和での経験を生かした、さらなる活躍を期待している。キャリアハイの飛躍を遂げた札幌で駒井が来季もプレーする姿を、クラブもサポーターも望んでいる。

◆駒井善成(こまい・よしあき)1992年(平4)6月6日、京都市生まれ。6歳でサッカーを始め、京都ジュニア、同U-15、同U-18を経て11年トップチーム昇格。同年4月30日J2栃木SC戦でJデビューした。16年浦和に移籍し、18年札幌入り。J通算246試合15得点(J1通算75試合無得点)。168センチ、64キロ。血液型O。