J2東京ヴェルディは5日、J1ジュビロ磐田と対戦するJ1参入プレーオフ決定戦(8日=ヤマハ)にて、サポーターへスタジアム外での応援を自粛するよう求める声明文を発表した。

事の発端は、4日に発売された同試合のチケットが即日完売し、チケットを手にできなかった一部の東京Vサポーターと思われる人物らがツイッター上でスタジアム外での応援をほのめかすツイートをしていたこと。実際にツイッター上には「チケットが取れなくてもヤマハスタジアムまで行く」「チケットを取れなくてもヴェルディが大好きという熱意でヤマハスタジアムの外にみんな集まれば、逆に雰囲気良くなるんじゃないかと思えてきた」などのツイートがあり、これを東京V、磐田の両クラブが確認。異例の声明文発表に至った。

東京Vは公式ホームページで「12/8(土)ジュビロ磐田戦でのスタジアム外での応援について」と題した文章の中で、チケットを手にできなかったサポーターが多数出たことに触れつつ「チケットをお持ちでない方がスタジアム周辺にいらっしゃり、スタジアムの外のエリアで応援をされるという情報がSNS上で流れていることも確認しています。この試合の主管クラブであるジュビロ磐田の運営管理規定では、第5条(禁止行為)21の『近隣住民に対する全ての迷惑行為』が規定されており、上記のようなスタジアムの外のエリアにとどまること、とどまって大きな声で応援をすることは規定に抵触する行為となります。皆様の東京ヴェルディを想う熱い気持ちは、クラブも強く感じています。その気持ちが試合の運営を妨げる形になることはクラブの本望ではなく、くれぐれも規定に則った行動をしていただくことを切にお願いします」とスタジアム外での応援を自粛するよう呼び掛けた。

同試合のチケットをめぐっては、ネットオークションなどで転売目的と思われる出品などもみられ、磐田が4日に公式ホームページ上で「営利目的のチケット転売禁止について」と題した声明文を掲載。「チケットがインターネットの多数のサイトで高額で転売されていることを確認しております。営利を目的とした転売は絶対にお止めください」と呼び掛け、営利目的の転売とクラブが判断し、転売者が特定できた場合は顧問弁護士と相談の上、個別に通知を行い、悪質と判断した場合は会員資格剥奪等の対応を行うと警告した。

この試合でアウェー側の東京Vに割り当てられた席数は、通常のJリーグ開催時と同じ約1400席で、クラブのJ1昇格の瞬間をスタジアムで見届けたいサポーターが殺到した形となった。

こうした事態に、東京VのMF佐藤優平(28)は「残念ですけど、TVでも放送されるみたいですし、勝ってスタジアムに来られなかったサポーターのみなさんにいい報告ができるように選手は結果を残すしかない」と前を向いた。DF平智広(28)は「アウェーなので限られた席数ですが、サポーターの方は一体感を持って応援してくれるし、それが力になっている。そういう人たちのためにも勝ちたい」と意気込んでいた。

J1参入プレーオフ決定戦の磐田-東京V戦は8日午後2時キックオフ。