運命の一戦を固唾(かたず)をのんで見守ったサポーターたちが、感動に酔いしれた。気温13度。寒風が吹くヤマハスタジアムに集まった1万4588人は、愛するジュビロ磐田のJ1残留を信じて声を張り上げた。前半41分、FW小川航のPKでスタンドの熱気が高まると、後半35分、MF田口のFKが追加点となり、ボルテージは最高潮に達した。

試合後、会場を後にした人々が歓喜の声を上げた。沼津市から来た20代男性は「最高だった。小川航のPKはしびれました」と目を輝かせると、地元の磐田市に住む70代男性は「積極的によく動き、スピード感もあった。来年も年間シートを買って、応援に行きますよ」と声を弾ませた。

友人同士で観戦に訪れたサポーターも満足げだった。藤枝市から来た10代の女性2人組は「寒さを忘れるぐらいに熱くなった。来年は全試合応援に来ます」と笑顔。磐田市の40代男性は「昨日は心配で眠れなかったけど、実力差を見せつけてくれてよかったです」と言うと、横にいた10代男性は「東京から来たので、勝ってくれて良かった。来年はトップ5を目指してほしい」と話した。2人はこの日が初対面。ツイッターで意気投合し、一緒に応援に駆けつけたという。

そんな中、長年チームを見続けるサポーターは、来季以降へ目を向けていた。日本リーグのヤマハ発動機時代から応援を続ける60代男性(森町在住)は「08年のプレーオフよりは落ち着いて見られた。今年はけが人もあって、メンバーを固定できずに苦しんだと思う。ベテラン選手に助けられた試合が多かったので、来年は若手の成長に期待したい」と力を込めた。苦しんだチームを最後まで見守り続けたサポーターは、チームのレベルアップと来季の優勝争いを望んでいる。【河合萌彦】