J2東京ヴェルディは9日、ロティーナ監督(61)の今季限りでの退任を発表した。

0-2でジュビロ磐田に敗れたJ1昇格プレーオフ決定戦から一夜明け、ロティーナ監督はクラブハウスで最後の取材対応を行った。初めて日本で指揮を執った東京Vでの2年間を振り返り「いい評判は聞いていましたが、日本という国をとても好きになりましたし、快適に過ごすことができました。正直に言って、私の夢は(東京Vが)1部に上がることでした。そのために(コーチの)イバンと来ました。選手たちはいい仕事をしたし、意欲的に取り組んでくれた。昇格はかなえられなかったが、その過程はとても美しいものでした」と語った。

来季はJ1セレッソ大阪の監督就任が内定している。仮に東京VがプレーオフでJ1昇格を決めても退任していたことを明かし「1部昇格に関係なく、決断はしていました。この変化はスタッフ、選手にとってもいい変化になります。私はあまり(監督を)長く続けると慣れてしまうので良くないことだと思っている。2、3年がいいのかなと思います」と話した。

スペイン人の名将は日本サッカー全体についても触れ「私は日本サッカーはいい方向に向かっていると思います。毎日、向上していますし、とても組織化されている。リーグの組織はトップレベルのリーグよりもいいと思っています」とJリーグを評し「選手は意欲にあふれているし、アカデミーも情熱を持って働いている。日本がヨーロッパの最高レベルの国と肩を並べるのは時間の問題だと思う」とたたえた。

クラブハウス外に集まったサポーターへのあいさつでは涙もみせた。サポーターへ向け「日本のことが大好きになりました。偉大なクラブは選手だけでなくサポーターもつくるもの。あなた方は偉大です。この2年間の過程は美しく思い出に残るものでした。感謝しています。ありがとうございました」。サポーターから東京Vの緑のマフラーをかけられ、最後はロティーナコールも巻き起こると、笑顔で手を振って頭を下げ、クラブハウスをあとにした。