沖縄・糸満キャンプで初の師弟対決が実現する。渡辺晋監督(45)が率いるJ1仙台が来年1月中旬、元仙台の手倉森誠監督(51)率いるJ2長崎と練習マッチで激突することが17日、分かった。渡辺監督にとって手倉森監督は、08年から13年まで腹心コーチとして仕え、帝王学を学んだ恩師。手倉森監督がベースとしてきた4バックから、昨季から3バックに布陣を変更し、新たなスタイルの模索に着手している。それだけに新旧監督同士の采配の行方も注目される。

青森・五戸町出身の手倉森監督は今月就任したばかりで、Jリーグ監督では6年ぶりの現場復帰。1年でのJ1復帰を公言する。手広い人脈を生かし名古屋FW玉田圭司(38)、仙台でもプレーした清水DF角田誠(35)らベテラン補強に動くなど、チーム力強化を図っている。自陣で守備ブロックを敷き、相手のボールを奪ってカウンターに転じる堅守速攻の戦術をベースとする。

仙台にとって長崎は因縁の相手でもある。勝てば目標のリーグトップ5入りもあった9月23日のアウェー戦で、ボール支配率で圧倒しながら0-1で敗退。最下位に土をつけられて以来、1分け4敗と失速した苦い思いがある。来季へ向け始動する新チームが、ボールと人を動かし空いたスペースを使って攻め上がるスタイルで、引いた相手をどこまで突き崩せるのか試される。渡辺監督は現在、スペインリーグのジローナに海外研修中。そこで得た欧州サッカーの最新エッセンスが、新たに試されるかも注目される。