ベガルタ仙台の「秘密兵器」、新加入のDFシマオ・マテ(30)が15日、本格始動した沖縄・糸満キャンプで大器の片りんを見せつけた。

同市の西崎陸上競技場で2部練習に臨み、激しくボールを追い鋭いタックルを決めるなど、スペインリーグ仕込みのハードな守備力をアピールした。

レバンテでメッシ(バルセロナ)らと4季も張り合ってきた実績はダテではなかった。7月にカタールリーグを終え、約半年のブランクで現在ベスト体重から7キロオーバー。フィジカルトレーニング中心の午前練習では苦戦したが、午後のボールを使ってのポゼッション練習で一変。本能むき出しに激しくボール奪取する姿は、獲物を追う狩人さながらの迫力だった。

シマオ・マテ 疲れはあるがもっと走り込んでベストにもっていきたい。ボールを使った練習は、自分の力がどれだけ通じるのか試されるし自信になった。早く監督が求める戦術を理解して実行できるように。

戦術理解を早めるためにも、チームメートとコミュニケーションを積極的に取った。練習後、最年長のMF梁勇基(37)を呼び止めて談笑。「彼のようなクラブで経験豊富な選手と話すことで、学ぶことはたくさんある。できるだけ早くチームになじみたい」と話した。渡辺晋監督(45)は「ボール練習になればやはりスイッチが入るね。ペースを落としてもいいと彼には伝えたが、真剣に取り組んでくれている」と期待を寄せた。【下田雄一】