J1ベガルタ仙台の新加入レフティーMF吉尾海夏(20)が20日、大器の片りんを見せつけた。沖縄糸満キャンプ7日目のミニゲームで、2シャドーの一角に入り2ゴールを決めた。21日、元日本代表FW高原直泰(39)が代表兼選手を務める沖縄SVとの今季初の練習試合で、実力を証明する。

吉尾が、横浜仕込みの決定力を見せつけた。渡辺晋監督(45)から「がちゃがちゃ動きすぎるな」とアドバイスを送られると一発回答。FW阿部拓馬(31)のショートパスを左足で決めると、DF照山颯人(18)の縦パスを右で押し込んだ。「2点とも周りに合わせてもらった感じです。ポジショニングだったり守備はまだ迷いがありますが、明日の試合では攻撃にアクセントをつけ結果につなげたい」と手応えを口にした。

横浜では、中村俊輔(40=磐田)の背中を見て育ち、引退した中沢佑二氏(40)からはプロでの心構えを伝授された。「俊さんはあこがれの存在。パス1本が次元が違った。練習中に俊さんのFK練習を見入っていました。佑二さんにはたくさん面倒を見てもらった」と思い出を振り返った。

ゲーム後、渡辺監督は「動き回らずに我慢するところは我慢して、最後の個の部分でモビリティーを発揮してくれた。理解力も高いし特徴は出してくれた」と期待を寄せた。横浜ユース時代は背番号10。横浜育ちのレフティーが、新天地で潜在能力を開花させる。