J1清水エスパルスがエース不在の大ピンチに陥った。24日、ブラジル人FWドウグラス(31)に不整脈の症状が見られ、治療のために母国ブラジルに一時帰国したと発表した。全治と再来日の日程も未定で、2月23日のサンフレッチェ広島とのリーグ開幕戦出場は絶望的。昨夏加入し、15試合で11得点を挙げたストライカーの長期離脱は、トップ5を目標に掲げるチームに大きな痛手となる。

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開幕1カ月前の清水に激震が走った。ドウグラスは始動2日目の16日に体調不良を訴えた。17日の練習後に検査を行った結果、不整脈が判明。翌18日も静岡市内の病院で再検査を行ったが、同様の診断結果だったという。自宅療養していたエースの長期離脱は、23日の練習前にヤン・ヨンソン監督(58)から全選手に伝えられた。

この日取材に応じた大榎克己ゼネラルマネジャー(53=GM)は「本人も相当ショックを受けていた」と明かした。クラブ側は日本での治療を勧めたが、ドウグラス自身がブラジルへ帰国して、日本では数少ない、プロスポーツ選手専門の医師の診察を希望。協議の上で帰国を決めた。

ブラジルではカテーテル手術と投薬治療を行う予定だという。快方に向かえば再来日するというが、現時点で全治は未定。大榎GMは「1カ月で復帰できた前例もあると聞いている」としたが、万全のコンディションに戻るかは不透明だ。早くても完治まで1カ月以上を要する見込みで開幕戦出場は絶望的となった。

過去には当時浦和レッズに在籍していた元日本代表MF鈴木啓太氏(37)が14年に不整脈を患っていることを告白。翌年復帰したが、同年限りで現役を引退した。17年には当時湘南ベルマーレのMF武田英二郎(30=現横浜FC)が「運動誘発性不整脈」を発症。手術して完治している。

昨夏加入したドウグラスはリーグ戦15試合出場で11得点をマーク。今季も貴重な得点源として期待されていた。大榎GMは「現段階で補強は考えていない」と明言。アジア杯に出場している日本代表FW北川航也(22)やベテランFW鄭大世(34)ら現有戦力で戦う意向を示した。【神谷亮磨】