J2アルビレックス新潟はオフが明けた4日、春季キャンプ地の高知・春野総合運動公園陸上競技場で午前、午後の2部練習を行った。

午後の守備練習では、DF柳育崇(24)が昨季のスタメン組のセンターバックに入って動きを確認。2日の練習試合J3讃岐戦でゴールを決めるなど好調だ。シンガポールプレミアリーグの新潟シンガポール(S)から移籍して2年目、レギュラー取りに名乗りを上げる。

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統率が取れた守備陣の練習の中で、センターバックに入った柳はスムーズに反応した。右サイドバックに川口尚紀(24)、左サイドバックが渡辺泰基(19)、センターバックの左に大武峻(26)と周囲は昨季終盤に5連勝したときの4バックのメンバー。相手のプレッシャーを想定し、ボールの動きを確認しながら的確にパス出す。

「練習で課題を修正した。ポジショニングなど、追求し続けないと」。2日の練習試合、カマタマーレ讃岐戦(45分×3)は1本目に出場。昨季のスタメン組のセンターバックに入った。プレスをまともに受け、追い込まれた球回しになったことが反省点だが、収穫もあった。フリーキックに直接、頭で合わせてゴールを奪った。「得点を狙うことも必要な部分」。7日のファジアーノ岡山戦、10日のカターレ富山戦と続くJリーグ勢との練習試合でも得点を狙っていく。

今年は勝負の年だ。新潟Sから移籍した昨年はリーグ戦3試合に出場。念願だったJリーグデビューを果たした。ただ、「悔しさの方が強い」。出場機会に恵まれなかった時期がほとんど。センターバックの定位置争いに加わることはなかった。

今季は「開幕スタメンが目標」。188センチの高さを生かした空中戦と、はね返す力が武器。昨季は特長を出そうと意識し過ぎて、空回りした。今は「まず自分のやるべきことをやる」と地に足がつく。キャンプでは正確な位置取りと状況判断を意識。実戦形式の練習では自分から周囲に声をかける。全体が見えているからこそ声も出る。

大武、昨季大武とコンビを組んだ広瀬健太(26)、栃木から移籍のパウロン(29)とセンターバックには強力なライバルがそろう。「周りを気にするのではなく、まず自分を見つめる」。足もとを確かめながら、開幕スタメンへの道筋をつける。【斎藤慎一郎】