沖縄でキャンプ中のコンサドーレ札幌は5日、名古屋グランパスと練習試合(黄金森公園陸上競技場、45分×4)を行う。対外試合は今季4戦目。腹痛で2日間、離脱していたDF福森晃斗(26)は4日、全体練習に合流し、11対11の実戦練習のCKではキッカーを務めアシストを決めた。高精度のキックで今季もチームの攻撃を支える。

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病み上がりでも、存在感はピカイチだった。名古屋戦に向けて行われた4日の実戦練習で、DF福森が2アシスト。キッカーを務めた左CKでは、MF宮沢裕樹(29)が頭で決めたゴールを演出した。流れの中からでも、左サイドから相手守備の背後を狙ったロングボールは、ターゲットとした新加入のFW鈴木武蔵(24)に収まり、ゴールにつながった。

福森の左足が、新戦力と融合しつつある。新顔の鈴木とは1次キャンプのバンコクユナイテッド戦(1月27日)の後に話し合った。鈴木が得意とする、オフサイドギリギリの飛び出しを生かすべく、意思疎通を図ったことがこの日、形となった。「アイコンタクトのような感じだったので合わせることができた」。鈴木は「自分は人見知りだけど少しずつ慣れている」。チームの始動からまだ1カ月弱だが、個の特徴をチームに落とし込む作業は進んでいる。

昨季は主に左ストッパーとして31試合に出場。ピッチにいる間は、100%近い確率でFK、CKのキッカーを務めた。今季に向けても「そこで得点を取らないといけないし、それ(を演出するの)は自分の仕事」。今季チームは平均年齢も下がり、26歳の福森はMF駒井、中野に並び27選手で上から7番目。若手をけん引する立場という、強い自覚もある。

沖縄キャンプで練習が本格化した2日午前に、腹痛で一時、離脱した。熱は38度まで上がり嘔吐(おうと)するなど苦しんだ。この日ようやくピッチに戻り「だいぶ治まってきた」と通常メニューを消化。今季、対外試合4戦目にして初のJチームとの対戦に向けて「実戦感覚をつかみたい」と意気込んだ。正確無比な左足は、今季も攻撃陣を盛り立てる。【西塚祐司】

◆ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)が野球に対抗心? を燃やした。この日は札幌の練習場から約50キロの国頭村・日本ハム2軍キャンプが休日。そのためか、前日3日まで1局だけだったテレビカメラが増えて、ズラリと囲まれた。「どこからこんなにたくさん来てるんですか。野球が休みですかね」と“チク”と口にした後は報道陣に日本ハム公式戦の平均入場者数を逆取材し「我々もより良い結果、より魅力的なサッカーをすることによって観客を増やしていきたい」と納めた。