Jリーグは13日、新たな育成プロジェクトを立ち上げたことを発表した。

プロジェクト名はDNA(Developing Natural Abilities)と決定した。選手や指導者が持っている資質をつなぎあわせるというテーマが込められている。

具体的な施策の1つとして、イングランドからテリー・ウェストリー氏(59)、アダム・レイムズ氏(32)という育成のプロ2人を招いた。テリー氏はプレミアリーグのウェストハムで監督や育成責任者を経験。育成歴は37年と、本場のプロだ。2人とも複数年契約で、日本とイングランドを行き来しながら、まずは将来的なビジョンの確立や具体的な戦略策定に取り組むという。すでに各Jクラブの育成責任者が集まっての会議へも出席した。Jリーグの原博実副理事長は「イングランドのまねをするのではなく、日本に合った育成システムを彼らと一緒になって作っていきたい」と話した。

テリー氏は3年ほど前から日本にも目を向けてきたといい「高額な移籍金がつく選手のの育成は日本でもできると印象を受けている」と日本の育成に可能性を抱いている感覚を口にした。カナダ人選手のMFアルフォンソ・デービス(18)が約24億円の移籍金でブンデスリーガの強豪Bミュンヘンに加入したことを例に挙げて「カナダに対して上から目線になるつもりはないが、カナダにできるのなら日本でもできると考えている」と力強く語った。

選手の育成には指導者がさらにレベルアップすることも必須だとし、「個別育成のプランが必要だと考えている」とより細かい育成カリキュラムの作成にも意欲を示した。

今後は各クラブの社長や高体連、大学、JFAの技術委員などさまざまな分野のスタッフで構成されたグループを作り、今回招いた2人を交えて具体策などの議論を進めていく。