J1清水エスパルスDF鎌田翔雅(29)がピッチに戻ってくる。6日のルヴァン杯松本戦(午後7時 サンアル)に備え、5日は静岡市内で非公開練習に臨んだ。鎌田は右サイドバックとして先発が濃厚で「出たら自分のプレーを表現したい」。最終調整でフルメニューをこなすと、昨年11月26日のリーグ新潟戦以来、465日ぶりとなる公式戦出場へ意欲を示した。

苦しい時期を乗り越えてきた。16年4月に右ひざ前十字靱帯(じんたい)を損傷。全治6カ月の重傷から復帰した17年11月にも左ひざに同じケガを負った。「ずっとひざの問題があったので、完全に戻りきらなかった」。周辺の筋肉量が落ち、ひざの伸縮が困難にもなった。一時は足のしびれを感じる時期もあったといい、昨季の公式戦出場はゼロ。プロ11年目で初めて1度もピッチに立てない苦しいシーズンを送った。

「相手が松本というのも負けられない」。敵将の反町康治監督(54)は09、11年の計2年間、湘南で指導を受けた恩師だ。持ち前の気持ちを前面に出して戦うプレースタイルは反町監督に受けた指導の影響が大きい。「気持ちを出して、がむしゃらにやりたい」。2度の大けがを克服した苦労人が熱いプレーで完全復活を証明する。【神谷亮磨】