清水エスパルスは2-5で北海道コンサドーレ札幌に惨敗した。昨季のベースだった4バックで臨んだ守備陣は崩壊。

ヤン・ヨンソン監督(58)の就任後、ワースト失点で、またしても今季初勝利を逃した。

屈辱的な光景だった。3点を追う終了間際、戦意喪失した清水の選手は、札幌のボールを追う気力もなかった。2日のホーム開幕戦で4失点し、また5失点。敵地に訪れたサポーターもあきれ顔だった。ぼうぜんとする選手にブーイングもせず、拍手もない。就任後、ワースト失点のヨンソン監督は「この結果を受け止めなければいけない」と力なく話した。

全て裏目だった。ヨンソン監督は今季補強の目玉だったDFエウシーニョ(29)を「右MF」で初めて起用。随所で光るプレーは見せたものの、ミスが失点に直結した。前半終了間際に敵陣でボールを奪われ、その流れでPKを献上。期待の助っ人も試合後は「理想のデビューではなかった」とうつむいた。

勝つための4バックも付け焼き刃だった。指揮官は「攻撃に厚みを出したかった」。開幕2試合で試した3バックの新布陣に見切りをつけ、この日は昨季のベースだったシステムで臨んだ。だが、本来「右MF」が本職の金子翔太(23)を不慣れな左サイドに配置。急きょ戻したシステムでは連係面でわずかなズレも生じ、ちぐはぐだった。

札幌は6日まで熊本キャンプを行い、疲労困憊(こんぱい)だったという。万全の清水はいまだに勝利がなく、守備は公式戦4試合で12失点。システムの併用どころか、1つの形も見えてこない。

中3日の13日のルヴァン杯は、磐田との静岡ダービー。結果次第では「トップ5」のクラブ目標も下方修正しなければならない事態だ。指揮官の指導力も問われる一戦。早くも正念場に立たされた。【神谷亮磨】