日本代表MF久保建英(17=FC東京)が、今夏に東京を退団する見通しであることが1日、分かった。下部組織時代を過ごしたスペイン1部バルセロナのBチームに復帰することが既定路線とされてきたが、他クラブへの移籍の道を探っていることも判明した。1日の大分戦で自身初の2ゴールを記録するなど、Jリーグを代表する選手に成長した17歳。退団とともに、バルセロナとの別れも濃厚となった。

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今季首位を快走する東京の主力である久保建が、今夏で東京を去る見通しとなった。スペイン1部バルセロナの下部組織から、15年5月に東京U-15むさしに加入。18歳未満の選手との契約に関してバルセロナに規約違反があったことがきっかけだった。4日で18歳の誕生日を迎え、その縛りもなくなる。

同時に、復帰先はバルセロナBチームという「既定路線」も消滅することが濃厚だ。バルサBはスペイン3部と、久保建が目指すステージからは遠い。たとえバルセロナに別れを告げることになったとしても、1人の選手としてより高いレベルでプレーできる環境を本人は望んでいる。

東京はリーグ初優勝を目指すチームに不可欠な存在として、全力で慰留に努めた。一方で、これまでもFW武藤ら、チャンスを手にした選手を尊重し、最終的に背中を押し続けてきたクラブでもある。

Jリーグは日本代表による中断期間に入る。久保建が参加するキリンチャレンジ杯2試合と南米選手権(ブラジル)へは海外クラブのスカウトが多数訪れる。すでに海外の複数有力クラブから打診も届くなど、争奪戦となる可能性もある。

南米選手権で1次リーグ(L)突破を決めた場合には、1日の大分戦が結果的に東京でのラストマッチになる可能性もある。仮に1次Lで敗退した場合は、29日のホーム横浜戦に出場できるかもしれない。

今季は直近で4戦4発と絶好調。大分戦では2ゴールを含み全3得点に絡んだ。試合後は初めてのA代表に向けて「自分のサッカー人生では計り知れない相手と戦う。自信があるわけではないが、ピッチで多くを感じたい」と話した。今季の活躍で、東京に恩を返した。代表で輝きを放つことが、旅立ちに花を添える。